ここ5年くらい通っている近所の整体院の、
治療時間が朝4時まで延長されました。
で、今日は23時くらいまで会社のパソコンの前で、
もんもんと原稿を書いていたもんで、
さすがに頭痛がしてきて、主治医山田センセがいないことを知りつつ、
整体院のドアをたたいたのでした。
弥絵の知らないおっちゃん先生がそこにいて、
整体してくれたワケですが、そのうち四方山話となり、
「いやあ、整体は面白いですねえ、人の体を押すってのは面白いです」と
楽しそうにいうので、
「整体をされる前は何をしていたんですか?」と聞くと、
「学習塾に勤めてまして。でもいろいろやりましたねえ。」
と、始まった話が、めっちゃんこ興味深かったっす。
人様の人生の、なんと奥深いことかっ!
このおっちゃんは、高校卒業後、数学がやりたかったそーなんだけど、
「本当に自分は数学がやりたいのか?
一度捨てて、それでもやりたかったら本物だから、
一度、ぜんぜん違う道へ行こう」
と思って、
海上自衛隊に入隊→横須賀でコック→
凸版印刷のコンピュータ技術者・・・と転職。
それでも、数学のことを忘れなかったので、
27歳のときに、「今から受験勉強するのもやだなー」と、
カルフォルニアのバークレー校に入学し、純粋数学の道へ。
以下、おっちゃんの語りの一部。
「バークレーにはいろんな国から人が集まっていて、
「へえ、こいつがこんなセンスのいい解法するんだ」とか、面白かったですねえ。
当時は、がむしゃらに数学ばかりやりましたけど、
ふと「これでいいのか?」って思うことがあって・・・
音楽や美術は、わかってもらえて、
人を感動させられるでしょ?
でも、数学は、僕が解法を
何枚もの紙に書いて壁に貼っても、
数学を知らない人には
わかってもらえないんです。
「俺は、人にわかってもらえないことを・・・
人の役に立たないことをやっていていいのか?」
って、不安になりましたねえ。
あと、 こう、なんか、数学をやれば、
世界のなにかがわかるって思ってたんですね。
それがね、そうじゃなかったんです。
「数学とは何か?」というたった一つの問いでさえ、
バークレーの教授も、誰一人答えられなかったんです。
おかしいでしょ?
がむしゃらに数学をやってみたら、
僕の思っていたものと違っていたっていうか、
憧れの理想の女性のそばに行こうと思ってがんばって、
ようやく肩をたたけたんだけど、
振り向いたら、イメージしていた女性と違っていた
とでもいうんでしょうかねえ。
(注:この比喩は、さっぱり弥絵にはわからなかった。遠い世界じゃぁ〜(^-^;))
そんな気持ちをだましだまし、
大学に残って職につくこともできたのだけど、
そこには「数学は思っていたのと違う」って
思ってしまっている自分がいるわけで、
周囲からの僕への評価とずれができちゃってるんですね。
そのずれの中にいると、気がおかしくなっちゃうなーと思って日本に帰ることにしたんですよ。
とはいえ、日本に帰ってきても、職があるわけでもないし、ねえ(*^_^*)」
というわけで、人見知りで、ナイーブで、
気配りしすぎるおっちゃんは、
「今は、整体、面白いですよー」と、楽しそうに語っており、
才能と気質と縁ってことについて、しみじみ考えたりもしたりして。
勉強できない弥絵は、バークレー大まで出て数学をやったなら、
整体のパートタイムやるのはもったいないのでは?とも思ったりするのだけど、
なんにしても、
★自分のやりたいこと
★自分のできること
★自分の自己評価と周囲からの自分への評価
★自分の居場所を作ること
この4つのバランスって、とっても大事ね、
それが一致すると、本人は幸せなのね、
それが生きる・生かされることなのだわ〜
って思った次第でありました。
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