日本語以外、ほかの言葉はさっぱり読めないのですが、海外の絵本は好き。カイ・ニールセンやエロール・ル カイン、ウォーリック・ゴーブル、リスベート・ツヴェルガーとか。うっとりです。
最近見つけたのは、ショーン・タンの「The Arrival」。幸いなことに文字がない絵だけの絵本。絵を見て自分で状況を想像して読み解いていく、読む人の数だけ物語ができそうな本です。
本棚に並べたときにかっこよさそうな古本みたいな装丁で、モノクロ映画の1シーンのようなイラストが続きます。奇妙な世界と奇妙ないきものたちは独特。この奇妙な世界観は日本で生まれ育った人からは、生まれないかもしれないと思ったりしました。血だの歴史だのが関わる根っこの部分って、いいなと思って参考にしようにもできないんですよねえ。
物語は(わたくしが絵を読み解いたところによると、ですが)、国全体が貧しくなって、よその国の出稼ぎに行かなくてはならなくなったお父さんが主人公。かわいい娘と奥さんを置いて、旅立ちます。とまどいながら旅を続け、孤独につぶれそうになりながら、戦争に巻き込まれそうになったり、助けてくれる友だちができたり、不思議ないきものが相棒なったりします。
どうも、物語では、ひとり一匹、へんないきものがひっついてくるような設定なのです。この主人公には、まるっこいとかげみたいなのが相棒になるのですが、主人公は最初はぎょっとしたものの、そのうち、言葉は交わせないけど、つねに一緒にいるコレのおかげで、心がすくわれることもあるようです。このへんないきものが、かわいいんです。
公式サイトに描かれているキャラもかわゆいのです。ぜひごらんくだされ。
「Shaun Tan」
こんにちは。
私もこの本に衝撃を受けた一人です。ほかの人はどのように読み解いたのかなと思って、サーフィンしてみましたら、このサイトにいきあたりました。私の読み解きとほとんど一緒で、造形の受け取り方もよく似ていて、うれしくなって、思わず書き込んでしまいました。
人物の表情に潜む不安、恐怖、輝きなどが、文字を超えた深さでせまります。
作者はある種の病を抱え、そのために我々に数倍する感受性を持っているのかもとも思わされました。
投稿情報: セサミン | 2012-02-09 11:50