ぬぅ〜、これは微妙・・・っていうか、これってOKなのか?と思ったゲーム。
『マイクロソフト ライズ オブ ネイション 〜民族の興亡〜 』
18の民族の中から選んだ1つの
民族の興亡が体験できるロールプレイゲーム。
目的は世界征服。
(マイクロソフトって「世界征服」好きなんだなあ。しみじみ)
太古、古代、中世、ルネサンス、啓蒙時代、産業革命時代、
近代、現代という8種類の時代約6000年を短時間でシミュレーション。
18の民族は、インカ、アステカ 、マヤ、バンツー、ヌビア、エジプト、
ギリシャ、ローマ、トルコ 、 スペイン、フランス、イギリス、 ドイツ、ロシア、
モンゴル、中国、朝鮮、日本。
ぱっと見た瞬間に思ったことは、
他の民族になりきることは、
ゲームの上とはいえ可能か?ってこと。
民族ってのは骨身に染みてるもんだろうから、ムリでしょぉ〜(^-^;と思った。
少なくとも弥絵は、エジプトの人になってピラミッドを考えだしたり、
フランスの人になってエッフェル塔を作るなんて考えつかない。
それと同時に、「民族」ってなんだっけ? 「国」のことばかりじゃないよなあ・・・
と根本的なところでつまづいちゃった(^-^;
その後も、説明を読んでいて、
つぎつぎとわく疑問符の山!山!
太古からのスタートなのでアメリカがないのは当然として
(1)四大文明のインドがぬけてるのはなぜか?
(2)ユダヤもない。 流浪の民といわれたユダヤなくしては世界の歴史は語れないでしょ。
ゲームで「出エジプト」とかできないし、
ユダヤ教はもちろん、キリスト教もイスラム教も生まれない。
それで世界の歴史が通説どおりの流れになるワケない。
ムリがあるぅ〜。
(3)宗教がない。
これがなければ、なんで侵略したり、戦争しなきゃいけないのか、理由が希薄。
・・・と書いて、がくぜん。どの宗教も幸せを求めるのに、侵略・征服・戦争の原因なのねえ。
(4)ステレオタイプに民族を扱っていいのか?
ステレオタイプに、民族や人種を表現することは、差別っていわれてるんですが、
このゲーム、たとえば、各民族の特徴は以下の表のような感じ。 微妙すぎる。
どうせやるなら、もっとハチャメチャやる方が、潔くていいくらい。
日本 | ロシア | アステカ |
栄誉の力 日本は資源の使い方に優れている。金属を通常より 10% 速く採集することができ、攻撃の際の略奪品は 2 倍になる。一方、日本は攻撃されても略奪されることがない。治金の技術に優れ、武士という独自の強力な重歩兵を持つ。日本の兵舎でのユニットの作成コストは 20% 低く、10% 速く作成される。武士などの兵舎で作成される独自ユニットは、建物に 33% 多いダメージを与えることができる。また、航空母艦の作成も速い。 | 母なる大地の力 防御力に優れる民族。ロシアの寒さにより、領土内にいる敵の損耗ダメージが 2 倍になる。開始時の市民が 1 人多く、序盤の成長の助けとなる。ロシアの国境は時代ごとに拡大していく。石油の生産量が 20% 増加し、産業革命時代から製油所を建設することが可能である。他の民族と異なり、ロシアのスパイは特殊能力を使用した後でも隠れたままでいることが可能だ。ラシニー槍騎兵をはじめとする軽騎兵の独自ユニットは、敵の補給車や攻城兵器の攻撃に優れ、ロシアの領土への進攻をさらに困難なものとしている。 | 生け贄の力 突撃が得意な民族である。アステカは敵を倒すことで資源を得ることができる。これに強力な軽歩兵の力が加わり、アステカは序盤から有利に攻撃を仕掛けることができる。市民の移動が 20% 速く、都市施設をより早く建設することができる。アステカは兵舎を建設すると 2 つの軽歩兵ユニットを得ることができる |
そりゃ加工貿易で「ジャパンアズNO1」になったけど・・・それだけ? でもって、略奪上手で、神風が吹くから敵に略奪されない黄金の国ジパングって感じ?なんか失礼(-_-;) | 寒さで敵が消耗するって、確かにそれで戦争にも勝ったけど(対ナポレオン戦)、マンマだわ。ロシアのスパイがすごいってのは、アメリカの赤狩り時代のことが記憶にあるんでしょうか? | いけにえの力って・・・(^-^; どこだっていけにえやら、人身御供やら、人柱やってるわよねえ。 |
(5)そもそも、教科書通りの歴史を歴史としていいのか?
「いちお、そういうことにしときましょうか」ってのが歴史の教科書に書いてあること。
人によっては歴史の見方が違うから、100人いれば100人の世界史観があるだろうし、
記録として残ってないことの方も多いと思うわけ(世界史はハミダシが面白い)。
どうせゲームでやるなら、ぜんぜん違う世界を創出した方が面白いし、
「国」っていう概念を越えて存在するインターネット的世界の方が、
リアルでエキサイティングだと思います。
ところで、戦争もない統一された究極の世界を簡単に作ろうと思うと、
ハクスリーの「すばらしい新世界」
の世界になりますねー(←超オススメ本)。
絶対的で強烈な神のような存在の君主がひとりに、
なーにも考えないたくさん労働者がいっぱいの世界。
この小説では、生まれてくる子どもの知能の配分を
ブルーカラー、ホワイトカラーなどの階層別にコントロールして、
睡眠学習でもって、<身の程>をしっかり叩き込む。
知恵・知識・欲望・お金・体力などを
階層ごとに規定しちゃうんだから、 怖い怖い。
ひとりひとりが自分で考えた希望が持てるっての大事だわ〜。
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