環境汚染、動物迫害、大量生産・大量消費、核、
科学技術、差別・迫害、難民、
貧困といったカテゴリーで、
20世紀に撮影された100枚の写真を選んで編纂した本。
紀伊国屋書店発行だったし、
レビ=ストロースと池澤夏樹も寄稿してたので、購入。
1枚、1枚の写真はともかくとして、
こんな本作っちゃマズイ!って、
読めば読むほど思いました。
「ゴミについて考える」ってなテーマを
雑誌とかでスタイリッシュに語るのは、
まだがまんできるけど、
戦争や貧困や差別や、
いたましいことや哀しいことや恐怖、悲惨さを
ファッションにしちゃダメだっ!と、
のほほんとした弥絵にしてはめずらしく、
ピキピキ(-_-;)って感じ。
目を覆うような現実や事実は、
自分の目で真摯に正面から見つめるもので、
どこかに掲載された写真をチョイスして、サンプリングしてカタログ化し、
ザッピングできるように見せることは、
やってはいけないと思うんです。
コメントのひとつひとつから、
「こんなにひどいことを人間はやってきて、こんなことでいいのか!?」
「人や動物や地球がかわいそうだから、救ってあげなくちゃ」
といったことが伝わってきて、とってもおこがましい。
人が誰かや何かに<してあげられる>ことなんて少ないし、
地球にとってしてみれば、人類が滅んだって宇宙に存在し続けるわけで、
人間に<かわいそう>なんて思ってもらわなくて結構なお話。
欲望が動機になってるのが人間で、
自分本位だし、聖人君子にはなれないし、
原始時代には戻れない。
ひとりひとりの「幸せになりたい」という
欲望は尊重したいなーとは思うけど、
やっぱり「地球規模の幸せ」は自分のこととしてイメージできないんです。
声高に文明を批判することで、
世界平和や地球環境に一石を投じるよりも、
自分のできる領域で本分をまっとうする
ことしかできないっす。
話変わるけど、この手のテーマは、ちゃんとした報道で取り上げられるべきもので、
ちゃんとした報道が薄れてきているのも
問題だなあと、ちょっと思ったりして。
地味にコツコツと自分の足を使って、
長い時間をかけて追っかけて見出したことを
扇動的じゃなく、伝え続けるって、
金は儲からないけど、大事だわ〜。
コメント