ウルトラQってのは、今から39年前に作られたウルトラマンの前身となった作品。全28話の哲学的かつ社会的なテーマを盛り込んだ伝説の特撮ものです。このウルトラQのファンの人たちが自主制作ムービーを作りました。第29話。これが凄い!
趣味とか、大人の余技、とかいってはいけないのだ! この手のファンの人たちはやることがプロ以上のパワーを持つんだなあと、感嘆しました。利益や生産性を度外視で、好きでやってるってのは一番のパワーですねえ。
現在の東京とミニチュアをうまく組み合わせて、1966年の古式ゆかしい味を出している。役者さんのセリフ言葉も60年代風で小津安二郎まっさおの丁寧語。新聞社のデスクは「リンリン」と鳴る黒電話の音が響き(この音がすっごく新聞社らしい)、とにかく1から10まで凄い作りこみです。再現しようと思えば再現できるのねえ。荒い映像なんだけど、それがまたいい味出していて。WEBでは途中経過が綴られていて、ミニチュアを一生懸命作っていたり、不可思議な幻想的な世界観を出すためのロケ地選びをしてたり、舞台裏が拝めてよかったです。そのページから想像したよりも作品の仕上がりはよかったのも、よかった。
タイトルは「盗まれた時間」。時間の流れがめちゃくちゃになって、デジャブと時間の欠落が入り混じってて面白い。いやあ、いまどきの地球を守れ!とか、そういうんじゃなくて、「もしかしたら、あるかもしれないちょっと空恐ろしいこと」がテーマで、ワクワクしました!
コメント