大正14年に建築され、昭和26年に改修された現・歌舞伎座。老朽化のため4月でさよならして、3年後に新しい建物になるそうです。
そんなわけで、見納めの今月「御名残四月大歌舞伎」は3部あるうち2部を観る予定。昨日観たのは第3部。「実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)」と「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」です。
とにかく「助六」がすごかったあ。ちょっと長くなるので、ちょこっとずつ書きますね。
「助六」は日本三大仇討ちのひとつ、曾我兄弟の話がベース。18年かけて父のかたきを討った後、悲惨な死を遂げた2人の若者の物語であります。一緒に行った先輩は、今の世にはウケそうにない悲劇的な演目が江戸時代から続いてきたことについて、「日本人が判官贔屓ということもあるけれど、忠臣蔵と同じく、鎮魂のために必要と思ってきたんでしょうねえ」と言ってました(日本人のたたり封じ好きの話は興味深いのだけど、長くなるのでとばします)。
さて、歌舞伎は、ある物語の一部だけを切り出して演じられます。今回は、人が集まる𠮷原なら、かたきも見つけられるだろうとふんだ弟が、助六(團十郎)という名の侠客になって、全盛の花魁・揚巻(玉三郎)の間夫=愛人になり𠮷原に居着いて、そこでかたきを見つけるってところまででした。一番華があるところかと。
で、「助六」は市川團十郎家の江戸時代から続くお家芸だそうで。<「粋」を具現化した洗練された江戸文化の極致として後々まで日本文化に決定的な影響を与えた>といわれるくらいだから、どんなものだろう?と思っていたら、いや、もう、観てびっくり。以前、別の方が演じられたのを観たのだけど、「お家芸」と呼ばれるものは違いました。なんというか、團十郎さんの助六は、型や様式を越えて、奇天烈とも思える所作やセリフも、まったく自然。なじんでいるというか、「助六」を演じるのではなく、そのものでした。戦いの前に、色男から武将の表情にすっと代わる、その一瞬にほれた!かっこいいー。
えっと、今回の「助六」は現・歌舞伎座最後ということもあり、超豪華出演陣。
團十郎、玉三郎、勘三郎、三津五郎、菊五郎、仁左衛門、福助、左団次……。
團十郎さんと勘三郎さんと菊五郎さんが、同じ場に立ったところで「ほわーーー」って感じ。そして、3人で(主に勘三郎さんだったけど)アドリブを炸裂させてくれちゃうから、まー、贅沢。おかげで終わったのは22時近かったです。
そんなわけで、見納めの今月「御名残四月大歌舞伎」は3部あるうち2部を観る予定。昨日観たのは第3部。「実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)」と「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」です。
とにかく「助六」がすごかったあ。ちょっと長くなるので、ちょこっとずつ書きますね。
「助六」は日本三大仇討ちのひとつ、曾我兄弟の話がベース。18年かけて父のかたきを討った後、悲惨な死を遂げた2人の若者の物語であります。一緒に行った先輩は、今の世にはウケそうにない悲劇的な演目が江戸時代から続いてきたことについて、「日本人が判官贔屓ということもあるけれど、忠臣蔵と同じく、鎮魂のために必要と思ってきたんでしょうねえ」と言ってました(日本人のたたり封じ好きの話は興味深いのだけど、長くなるのでとばします)。
さて、歌舞伎は、ある物語の一部だけを切り出して演じられます。今回は、人が集まる𠮷原なら、かたきも見つけられるだろうとふんだ弟が、助六(團十郎)という名の侠客になって、全盛の花魁・揚巻(玉三郎)の間夫=愛人になり𠮷原に居着いて、そこでかたきを見つけるってところまででした。一番華があるところかと。
で、「助六」は市川團十郎家の江戸時代から続くお家芸だそうで。<「粋」を具現化した洗練された江戸文化の極致として後々まで日本文化に決定的な影響を与えた>といわれるくらいだから、どんなものだろう?と思っていたら、いや、もう、観てびっくり。以前、別の方が演じられたのを観たのだけど、「お家芸」と呼ばれるものは違いました。なんというか、團十郎さんの助六は、型や様式を越えて、奇天烈とも思える所作やセリフも、まったく自然。なじんでいるというか、「助六」を演じるのではなく、そのものでした。戦いの前に、色男から武将の表情にすっと代わる、その一瞬にほれた!かっこいいー。
えっと、今回の「助六」は現・歌舞伎座最後ということもあり、超豪華出演陣。
團十郎、玉三郎、勘三郎、三津五郎、菊五郎、仁左衛門、福助、左団次……。
團十郎さんと勘三郎さんと菊五郎さんが、同じ場に立ったところで「ほわーーー」って感じ。そして、3人で(主に勘三郎さんだったけど)アドリブを炸裂させてくれちゃうから、まー、贅沢。おかげで終わったのは22時近かったです。
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