本屋でうろうろしてたら、欲しかった本を発見!
「神は日本を憎んでいる」
ダグラス・クープランド・角川書店
ダグラス・クープラドといえば、10年ほど前に
「ジェネレーションX」という小説を出し、
「X世代」という造語まで流行したくらい、
大ヒットさせたお方。
大量消費時代に生まれ、目的もなく、過去も未来もなく、
ただ「今」を刹那的に生きる無気力な若者たちの孤独がテーマ。
新しいアメリカ文学の誕生といわれたけど、
弥絵的にはいまいち・・・
なにせ根が120%前向きで楽天的なので、
「なんだかなあ」っていいながら、
後ろ向きに生きる人たちの話は
不可解で、でもって、すごく疲れるのだ。
どうせ堕落するなら、積極的に
思いっきり堕落するのがいいと思う。
ま、それはおいといて、クープランドの久々の小説がこれ。
彼はアーティストでもあるので、
アトリエ代を稼ぐ必要があったみたい。
ターゲットを日本市場にするのは、まったくだわさ。
この「神は日本を憎んでいる」
(God Hates Japan)には、
びっくりしたー!
クープランドが日本に留学していた時期があったことや、
マガジンハウスで働いていたって話は知っていたので、
日本には詳しいってことは知っていた。
(どうやら、給料は高かったけど、エンゲル係数が高くて、
狭い家でコンビニ弁当を食べている生活がイヤになって、
日本から去ったらしい)
しかーし、
主人公は日本人の男子高校生(のちにフリーター)、
場所は埼玉や東京。
テーマは原爆、サリン、新興宗教、無気力、無目的、
コミュニケーションできない人々、社会システムの崩壊・・・
ってな感じで、
ずぅーっと100%日本で押し通すとは思わなかった。
奇妙な読感で面白いちゃ面白い。
なにが奇妙かってーと、
主人公の「僕」がおくる学校生活やバイト生活などの日常や、
外国人に対する感想などが、すごくリアリティがあって
「まるで日本人が書いたみたい!」 って思うほどなんだけど、
やっぱり、ズレがあるのね。
弥絵が考える「日本」や「日本人らしさ」ってのと、
微妙にずれていて、そのずれがオーバーラップするから、
あたかも、2人の小説家が1冊を書いたような雰囲気があって、ヘンで面白い。
あと、イラスト、サイコー楽しい♪
イラストBOOKみたい。
どこでこんな素材を集めてきたんだろう?ってくらい、
日本の雑誌やマンガ、菓子袋などがぞろぞろ登場。
絶対に組み合わないレゴっぽいブロックや、
警察のマスコット、ピーポーくんも登場。
イラストを手がけたのは、アニメーターのマイク・ホワットソン。
コメント