チェブラーシカというのは、
おさると小熊を足して2で割ったような
キュートでふわふわの謎の生物の子どもです。
1960年代〜70年代に
ソ連(現在のロシア)で制作された
パペットアニメーションの主人公。
以前から気になっていたんだけど、
人形劇の内容を本で初めて知って、
これは絶対チェックしなくちゃ!と、
いきまいているところであります。
「チェブラーシカ」
プチグラパブリッシング
パペットアニメーションのあらすじと
解説をまとめた本を買ったのが、
チェブラーシカを気に入ったきっかけ。
出てくるのは主人公のチェブラーシカと、
彼の親友であり保護者的な存在でもある動物園で働く
ワニのゲーナ50歳@チェスとアコーディオン好き。
ソ連時代の国民的番組だったらしく、
当時のソ連の市民生活を知る上でも貴重だとか。
ロシアの人々の繊細さややさしさがにじみ出ているそうで、
それが弥絵の思っていた「ソ連の人のイメージ」と
だいぶん違っていたのであります。
ソ連のイメージといえば、
KGB(カーゲーベー)とか、社会主義、労働者
・・・などなど。
でも考えてみれば、ツルゲーネフやトルストイ、
ドフトエフスキーの国なんですよね。
奥が深いはずだわさ。
中でも気に入った話が、ロシア文化論の先生の
長谷川章さんが紹介していた話。
モスクワから200キロ離れた
黒海のリゾート地に避暑に出かけた2人が、
切符を盗まれてしまって、
泣く泣くモスクワに歩いて帰ることになったシーン。
チェブラーシカが疲れているゲーナを気遣って、
「ぼくが荷物を全部持つから、ぼくを負ぶって」と、
幼い子どもなりに提案すると、
結局はゲーナが荷物とチェブラーシカを
全部持つことになるのに、
ゲーナはだまって、
一番大きな重たいトランクをチェブラーシカに
悟られないようさりげなく置き去りにし、
チェブラーシカと荷物を抱え、
線路の上を歩いてモスクワに向かう
・・・・・
もう、泣けちゃいました。
「信じられないほど騒々しいかと思えば、
急に控えめにそっと相手を気遣う
というロシア人の一面を
わかりやすく教えてくれる場面です」
と長谷川さんは書かれていたけど、
なんというやさしさ。うるうるです
コメント