「眼には眼を」という57年作の古いフランス映画を観ました。
ハンムラビ法典の「眼には眼を、歯には歯を」という
有名な一文が映画のタイトルになってます。
妻の命を奪った医師に復讐を誓うサイコ・スリラー。
中東がイギリスやフランスの植民地だった時代の話です。
中東のとある町で働くフランス人医師。
彼の家に、深夜、急患の妻とその夫がやってきます。
疲れていた医師は治療を断り、
病院に行った女性は、誤診のため亡くなってしまいます。
その日から、医師に対して、姿を見せない夫の
巧妙な復讐が始まります。
医師は、イスラムの下町の生活圏におびき寄せられ、
次第に、町から離れ、遠い村の重病人を救いに行く
はめになっちゃう。
村人は西洋医学を知らないので、
注射を出したとたんに
わけのわからない言葉で激怒。
医師に殴りかかって治療を拒絶。
車に戻るとタイヤが盗まれていて、
町に帰ることもできない。
そこに、唯一、フランス語が通じる
妻を亡くした夫が現れ、
「町にまで連れて行ってやる」と、
砂漠に連れ出すわけです。
砂漠に出た後は、医師と夫の命がけの駆け引きと、
立場の逆転、逆転の連続で、
すごいことになるんだけど、
次第に心理的に追い詰められ、
不条理と戸惑いでいらだつ医師と、
妻を亡くした夫の狂気ともいえる執念が、
ひしひし伝わってくる映画でした。
一番、空恐ろしいシーンは、
異文化の中にひとり放り込まれて、
言葉がまったく通じ合わないシーン。
善意も文化や価値観の違いで、悪意に取られ、
なすすべもなく、途方に暮れるしかない。
食う・寝るという安全も保障されず、
生命の危機にもつながるわけで、
こんな怖い復讐はない。
コミュニケーションってのは、
社会で生きていくために
必要なもんなんだなーって、
当たり前のことだけど、痛感しました。
言葉って、命がけなんですね。
言葉は命がけですよ!!マジで!!
最初着たとき、異国の地で言葉ができなくて、飯を食うのも一苦労。
最初に寮の部屋へ行ったときは、ブランケットもなくて、
ブランケットを手に入れるのも一苦労・・・。
と、数えるときりないです・・・。
アメリカナイズされた日本とはいえ、異文化で異言語はやっぱり大変。
アメリカですらこんなに大変なのに、もし、火星で火星人なんかの所に泊まったら・・・。
投稿情報: kagege | 2004-01-28 23:39