「おひっこし」沙村広明・講談社
「無限の住人」という弥絵が大好きなマンガ家さんの新刊。
鉛筆描きのコマがあって、
めちゃんこデッサンもうまい。
こんなにキレイな絵を描く漫画家って
めずらしいなあって思っていたのだ。
で、この「おひっこし」。
大学生の青春を描いたもの
(青春って言葉がくさくてよいわあ)。
超かわいい系の女の子が、
ちょっとキレてるインディーズ系の歌を
歌うライブシーン
(ゼルダ・フェアチャイルド・戸川純あたりのノリかな)、
まだ若いわねえっていいたくなるような
強烈に自己主張する登場人物、
洗練される前の原液のような濃さ、
どっちかってーとナルシスティックに
内省的で刺激的・・・・・・
うわっ、自分の大学時代を
めちゃんこ思い出すわ〜!
と思いながら、読み進めていたのであります。
そうこうしているうちに、
大学近郊の風景を見た主人公が、
「しっかし、いつ見ても、
この世の果てのような眺めだなー」
と、つぶやくセリフを見た瞬間にでくわし、
こりゃ、多摩美のことだべ!と気がついた。
そう、「この世の果て」のような、
遠いところにあるのだ(東京都だけど)。
ちょっと東京よりに中央大学があって、
「中大にはマムシの血清があるらしいよ。
たぬきが出るウチと、どっちが田舎かねえ」
なんてくだらないことを比べるくらい
田舎でしたよ、あそこは。
マンガに描かれている大学の校舎は、
階段ひとつとっても懐かしく、また、
うわ、このバス停だよ!毎日使っていたのは!と胸いっぱい。
出てくる神社は肝試しに行った場所だし、
高尾の方にある焼き鳥屋も懐かしかった。
マンガも面白いのだけど、
多摩美の八王子校舎に通ったことのある人と、
ない人では、相当受け取り方が違うと思うので、
客観的に感想がかけません(^_^;
沙村広明さんって、たぶん、多摩美の
しかも、漫研ですね、きっと。
サークル・クラブ活動は、
なにぶん、協調性のない人間が集まる大学なので、
たいしたことなかったんですが、
漫研だけは、とっても有名で、
盛り上がっていたなあ・・・
と、思い出したりします。
コメント