おそろしく久しぶりに「SFマガジン」を立ち読み。
立ち読みのきっかけは、表紙に火浦功の名前があったから。
「あれ?この人、まだ書いてたんだ??」と、
つちのこ発見並の驚きで、手にとった次第。
でも、ページをめくってもめくっても、出てこない。
・・・見つからないハズ。
あとがき1ページを含め、3ページ!
しかも、本文3行って感じ?
少なすぎぃ〜。これじゃ目にとまらないよ(^-^;)。
原稿を落とすことで有名だけど、本当に落とすんだなあ。
だてに「作品を書かない日本一のスチャラカSF作家」
って異名をとっているわけじゃないなと、感心。
数年前、「だれが江口寿史さんの担当になるか?」
で、職場が大混乱になったこと思い出しました
(当時、江口さんもよく原稿を落としてました)。
火浦功は、弥絵が中学・高校のころ、わんさか読んでいた小説家のひとり。
他、栗本薫、田中芳樹、夢枕獏、新井素子なんて、
懐かしい名前が同時に浮かびます。
それまで、夏目漱石や中原中也などの、いわゆる「文学」や、
ちょっとやわらかめでも星新一くらいまでしか触れてなかった弥絵は、
友達から、火浦功と新井素子を紹介され、
「これが小説か?!OKなのかぁぁ?!」と、
目から火花が出るほど、ぶっとびました。
この頃から、重い本と軽い本を交互に読むくせがつき、 現在にいたります。
(新井素子の「おしまいの日」「くますけといっしょに」
「ひとめあなたに」あたりはオススメ!
真綿で首を絞められていくかのように、
ひっそりと狂っていく過程が恐ろしく美しく、
ゾクゾクです )。
で、去年の冬、火浦功の新刊「トリガーマン1/2」を発見し、
「わおっ!懐かしい!」と購入。
で、中国出張中に読み終え、不思議になったんです。
火浦功がトクイとするのは、
軽妙なタッチの文体と、
めっちゃんこ破綻してて魅力的なキャラ、
そして、パロディなんですが、
その本のパロディ元が、水戸黄門をはじめとする、時代劇だったの。
水戸黄門、必殺仕事人、暴れん坊将軍etc・・・弥絵はわかるけど、
いまどきの若い読者は、このパロディがわかるのか?
パロディってのは、元ネタを知っているからこそ笑えるわけで、
作者と読者が共有している、
たったひとつのアイテム、 たった一言で、
突如、イメージの世界が広がるんだけど、
知らないと、とっても不親切なものになってしまう。
うーん、なんか、時代も感じるしぃーと思ってたら、新刊じゃなくて、
ファンの声で復刊された本でした。なるほど。
時代遅れを感じさせてしまう小説ってのは苦しい。
田中康夫のデビュー作「なんとなく、クリスタル」(80年)なんて、
当時、あの小説に出てくる単語(ファッションやグッズ等)を知らないと、
すんごくダサくて遅れてる人って思われる風潮があって、
ナウい人(←死語)は一生懸命読んでたそーだけど、
いやはや、後世に残る普遍性を持つことは、大変なのだ。
火浦功の話があったので読んでしまいました。
あのスチャラかな文体と、ウラシマとかの心理描写が素敵なんですけどね。
新刊でないですかね。。。。
では
投稿情報: つしま。。 | 2005-08-11 00:49
火浦功の文字から飛んできました。
2003年のお話なのに、今さらコメントすいません(笑)
元ネタが・・・のところなんですが、この人昔から、落語ネタとかCMネタとか、自分の年代じゃないとわからない(つまり、自身の主なファン層の年代は絶対知らない)ことを突然書いてましたよねー。
本人も、「わからないことはお父さんかお母さんに聞こうね。」とか書いてましたし。
私も全然わからなかったんですけど、『なんだかわからんが面白い』って感じでスゴイ好きでした。
今の中高生とかに読ませたら、どんな反応が返ってくるのか、ちょっと実験してみたくもあります。
それでは、失礼いたしました。
投稿情報: おこじょ丸 | 2006-02-09 14:49