「アラン・スミシー・フィルム」という、
弥絵が今まで見た映画の中でも、指折りの駄作映画を観ました。
作っている人たちも、「駄作の中の王者だぜっ!」
と思いながら作っているフシがあるので、
「駄作の中の駄作を観た」という意味では、
必見ものかもぉ〜。
豪華キャストぶりはすごいよぉー。
シルベスター・スタローン、
ウーピー・ゴールドバーグ、
ジャッキー・チェン。
この3人が揃う映画なんて、いまだかつてないもの。
いくらお金をかけたんだろう??
ほか、えげつないプロデューサ役のライアン・オニールとか、
気が狂っちゃう監督役のエリック・アイドルの演技もすばらしくよいの。
この映画、ハリウッドの裏事情を思いっきり暴露した、
ハリウッド通なら、最初から最後まで笑い続けられる(苦笑?)
ドキュメンタリータッチの映画。
監督はアラン・スミシー。
「アラン・スミシー」ってのは、アメリカの監督組合
(ってのが、ちゃんとあるんだね!
監督も労働者なのか?)で
きちんと決められている架空の監督名で、
クライアントや映画会社とモメてしまって、
監督名を出したくないときに使う名前だそうな。
(ひとつかしこくなったわ(^-^)v)
デニス・ホッパーの「ハートに火をつけて」や
デビッド・リンチの「砂の惑星・TV版」に
アラン・スミシーが使われてることで有名なそうな。
じゃ、アラン・スミシーという実在の人物が、
クライアントとモメて、
監督を降りたくなったときにどうするか?
ってのがこの映画。
編集権をプロデューサーに奪われて、
自分の思うとおりに映画が取れなくなって
しまった、アランは、
200億ドルを投資した映画の、
マスターフィルムを持って失踪してしまうのだ。
どたばたコメディなんだけど、
ひとつひとつの辛らつなセリフに、にんまり。
シルベスター・スタローンは、すげーえらそうに
「お笑いを追求するから、儲からないんだよ」
と言い放つし(ぜんぜんナイスガイじゃない(^-^;)、
駄作を作ったおかげで、
映画会社をつぶしたことのある
この映画の脚本家本人も出てきて、
今回の映画もどれだけひどいか、淡々と語るし、
監督である「ある愛の詩」の巨匠アーサー・ヒラーは、
「なんで、僕が映画監督ってことになってるの?」とインタビュアーに質問。
「映画監督組合の会長だから。
この映画、監督のための映画なんだよ」と説得される始末。
(監督のクレジットには、もちろん「アラン・スミシー」になっているけど)
史上空前の豪華&演技派のキャストと、
ハリウッドの有名業界人が出まくっているのに、
まったくもってして、つまらないという、
奇跡的な映画です。
コメント