「ブラック・ジャック」未収録作品

友だちから「ブラックジャックの２６巻訴えられる・・・悪質なので・・って記事があったけど、
どういうことなんだろう？」と質問されたもんで、ちらほら調べてみましたよん。
弥絵、手塚作品の中でも、「どろろ」と「ブラックジャック」が大好きだから、
この手の質問には、くいついちゃうわっ。

ちなみに該当の事件ってのがこれ。

「ブラック・ジャック」勝手に２６巻目作り罰金判決
単行本未収録作品１０作品を、勝手にまとめて、１冊１０万円で売っていたもんで、
手塚プロダクションと秋田書店が訴えて、罰金となったってニュース。
１０万円は高すぎるでしょっ(^-^;
かつ、作家本人が単行本化したくないという作品を勝手に本にしたら
著作権の大侵害だわさ。
後世の人間が「これは出版差し止め」ってしたものじゃないもんね。

にしても、舌を巻いたのが、
その表紙デザインのそれっぽさ。
よくここまで似せて作ったなあっ！

ところで、ブラックジャックは秋田書店から出てて、全２５巻。
雑誌には掲載されたけど、手塚さん自身が、
「こりゃつまらん」とか「差別表現が入っているから（←っていうかクレームが多かった？）」と判断して、
単行本に収録しなかった作品がいくつかあります。

未収録作品にはこんなものがあります。

■植物人間
ブラックジャックが乗り合わせていた船が海難事故に会い、けが人が続出。彼が治療できなかった女性が植物人間となる。その女性の息子はブラックジャックが母親を助けなかったとして怨むのだか、ブラックジャックは、少年と母親の脳をつなぐ手術をし、母親の声を少年に聞かせる。母親が生きていることを知った少年は、自分が医師となって母親を治そうと決意。「植物人間」が差別用語だそうで、「植物状態患者」としないといけないらしい。私的には違いが見えにくい言葉です。

■指
ブラックジャックの若い頃の友だちは６本の指の持ち主。ブラックジャックの手術で５本の指になってから凶悪犯罪を重ね、指紋も変えてしまう。ブラックジャックは彼の指紋がある６本目の指を警察に証拠として提出し、友だちはお縄になる。・・・犯罪を重ねなければ問題ではなかっただろうに。

■快楽の座
精神病を脳に取り付ける装置で治そうとする医師が登場（ブラックジャックはこの治療法に反対）。とある母親は、自閉症の息子の治療のため、彼の脳に心をコントロールする装置をつける（＝ロボトミーだよね）。ところがこの少年は精神に異常をきたし、殺人を繰り広げる・・・これは、いけないでしょう(^-^;　ロボトミーを賛辞する医師がまずいという世論も起きた作品らしい。

■落下物
治すのに大金がかかるという由来で「ブラックジャック病」と名づけられた原因不明の病気で、アフリカのとある村の人たちがバタバタと死んでいく。その村の医者はブラックジャックを招き、村人全員を治療してもらうが、治すことができない。両親を亡くした少女と一緒に原因を調査すると、原始炉衛星が墜落し放射線が撒き散らされていたことが判明。主食のイモが変種となり、それを食べると不治の病になるというわけ。機密を守るため生き残っていた少女は殺される。原子力に反対してるあたりがまずいとされた模様。

■訪れた思い出
記憶喪失の治療でブラックジャックのもとに訪れた女性。実はピノコの双子の姉（ピノコは彼女のおなかの中に腫瘍のように在った存在で、ブラックジャックが手術して取り出してピノコにしたのだ。）ピノコは姉を憎んでおり、姉も自分の中にあった異物であるピノコを嫌っていたのだが、二人は顔をあわせたことがないため、姉妹だとは気がつかず、記憶も失っているので仲良くなる。
ブラックジャックは二人が傷つくことのないよう、こっそり姉の家に連絡し、引き取らせる。たぶん、「家柄が高い家のお嬢様が、こんな（ピノコがおなかにいたこと）病気を持っていたと世間に知れたらまずい」・・・と、ピノコ姉の家側の人間が発言するあたりがダメな理由か。

■金、金、金
天馬医師が医師連盟理事長選挙の資金が足りず、ブラックジャックから金を借りる。彼の娘は父親のやり口が汚いをのいやがり、選挙前に自殺未遂を。天馬医師は娘のために選挙資金を手術の費用として、ブラックジャックに支払う、で、娘の命助かる、といったお話。まあ問題はないのですが、なぜ未収録？

こ、ここまで書いたら、力尽きました。ぜいぜい。