「ジャン・コクトー、知られざる男の自画像」
って映画を見ました。
コクトーの没後20年('83年)に、コクトーのパトロンだったウェスウェレル夫人の娘が思い立って、
テレビ番組として製作したってものなのですが、これが、素晴らしくよかったっす。
構成と出演者がすごいすごい。
コクトーの多数のインタビュー、
作品(詩・小説・映画・劇・インテリアなどなど)、
コクトーの友人のストラヴィンスキー、ピカソ、ココ・シャネル、サティ、
ディアギレフ、ベラール、ニジンスキー、ラディゲ、ルノワールなどなどの
映像・写真・作品が、コラージュされて1つの作品になってます。
20世紀パリ、すごすぎぃ〜!
ほんと、奇跡の時代なのねー
時代を変えた天才ばっかり!
しかも、みんなお友だち〜!
さらに、みんなルックスがいいっ〜!(←大切)
特にラディゲ。17歳で「肉体の悪魔」を書いた超天才少年。
20歳で死んじゃうんだよなあ。もったいない。
めっちゃホレました♪
ココ・シャネルの笑顔も素敵だったなあ。
はあ、興奮しちゃいました(^-^;
面白いのは、ナレーションがコクトーであること。
多数のインタビューをうまく編集して、
コクトーの少年時代から死ぬまでを
コクトーに語らせるもんで、
死んだコクトーが蘇って語ってるかのよう。
まさに「詩人は蘇る」のコクトーの言葉どおりです。
「ホルヘ・ルイス・ボルヘス 映画を語る」の
監督が撮ってるので、
時間や空間が入れ子になって迷宮状態で、ぞくぞくします。
「芸術は人々に受け入れられながらも、孤高であることが必要である」
「歴史は嘘になるが、嘘である神話は真実になる。 私は神話になりたい」
「居心地のいい闇で生きるために」
「映画は詩を運ぶ車。言葉では表現できないことをイメージできる」
「無秩序と厳格さを併せ持つこと」
「(ラディゲ)は道をあやまたずして死んだ」(=誤った方がいいってことか)
「サティの音楽は正確さと線への回帰」
「美術は速く走らねばならぬ」
・・・・う〜、もっといっぱいいい言葉があったけど、
メモできなかった(^-^;
とにかく、数々のインタビューからえり抜かれた言葉が、
すごく鮮明に印象に残るんですよねー。
コクトーの作品集であり、名言集であり、
20世紀芸術のドキュメンタリーって感じ。
コクトーの映画も何本か見てるし、
作品もそれなりに知ってはいるんだけど、
いままで、ファッショナブルで冒険的だなーとは思ったけど、
あまり好みではなかったんす。
でも、これ見たら、「ああ、天才なんだー」としみじみ
(この感想が出たところで、この映画は成功
でしょう。そのための映画なんだから)。
でもって、あの独特な線描きのイラストも、
ファッショナブルなイラストレーションではなく、
インスピレーションと日々の訓練で培った
技術の賜物なのねーと、わかりました。
コメント