アイスランドの歌姫、
ビョークの幻のデビュー作!
当時20歳だったっていうけど、
おかっぱの中学生か?! ってくらい、
可憐でキュートで初々しいんです♪
原作は、同名のグリム童話。
残酷で官能的なグリム童話の中でも、
「残酷すぎる」といわれる物語。
とはいえ、筋書きはずいぶん変わっていて、
ぜんぜん違うお話って言ってもいいかもしれません。
魔女として火あぶりになった母を持つ姉妹は、
村で暮らせなくなったため、放浪の旅に出ます。
姉は魔法が使え、妹は幻視ができる不思議な姉妹です。
姉妹は荒地で農夫のやもめとその息子に出会い、
姉は男を魔法の力で虜にし、後妻におさまります。
亡くなった実母を忘れられない少年は、
後妻を嫌い、 2人の関係はどんどん険悪になっていきます。
そんなとき、少年の心の支えになるのが、妹(ビョーク)。
少年の目に見えないものを伝え、歌を歌い、
彼の心を慰めるのでした。
ある日、少年が姉に殺され、そのことを知った妹は・・・。
ってな感じのストーリー。
グリム童話には、魔法使いは出てきても
呪文を実際に唱えたり、幽霊が出てくるシーン
ってはあまりないもんで、
かけ離れた印象を受けます。
映画に出てくる魔法の呪文は西洋のものというよりも、
日本のおまじないや言い伝えに似ていて、
違和感は全然なし。
原始宗教はどこでも似たようなものなんだなーって、しみじみしました。
逆に、妙にリアルな幽霊や、生々しい映像に、
「幽玄」を重んじる日本とは違うもんだなー
と、びっくりしました。
映画は全編、モノクロ。
荒々しいアイスランドの自然を舞台に、
美しい映像詩のような雰囲気。
で、なんといっても、ビョークの歌がオイシイです。
故郷の荒々しいアイスランドの大地を踏みしめながら
歌う数々のアイスランド民謡は、
耳慣れないけどどこか懐かしい。
呪文のような不可思議さに溢れ、
切なくて、ピュアな魂が、
勢いよくぶつかってくる感じ。
暗いけど、オススメの映画っす。
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