雪眼鏡

春が来たのに、雪の話をするのもなんですが・・・

「雪眼鏡」

天空から降ってくる雪の結晶を
眺めるためだけのメガネ。
拡大鏡です。
げげっ！欲しいっ！見た瞬間、即買い！
東京は年に１回、雪が降るか降らないかなもんで、
冬の最も美しい風景を見ることができなくて、
とぉ〜っても残念。
寒いばっかりでソンしてる気がします。

雪国で育った人なら、だれでもかならず、
空と大地の境目がわからないような白い風景の中で、
ひっくり返りそうな反り返った姿勢で、天頂を見上げ、
落ちてくる雪を眺めた経験あるんじゃないかしらん。
無音で、ゆっくりと落ちてくる雪のひとつひとつを眺めていると、
自分の身体が宙に浮かぶような錯覚があって気持ちいい♪
でもって、大きい球体の真ん中にいるような気がするんです。

たまに、雪が降るシーンを映画やテレビで見かけるんだけど、
本当に降っている感じを再現してるものは少ないです。
「これは正しい！」と思ったのは、
タルコフスキーの「ノスタルジア」のエンディングシーン。
雪国ロシアの監督だからこそ、
再現できたんだろうなあとしみじみ。
ターナーはくすんでぼけたような茶けた風景をよく描く画家ですが、
イギリスに行ったとき、
「個性じゃなくて、マジで街がこの色なんだ！」
と驚いたこと思い出したりしました。
突出したオリジナリティは
個々人の感性だけから生まれるんじゃなくて、
自分の血や故郷に忠実であることが原点かもしれないわ。