会田誠が挿絵を描いている!!
しかも、サド&澁澤龍彦だっ!
・・・というわけで、「ホラー・ドラコニア少女小説集成」を
全巻揃えることにしました。はい。
これは企画編集者冥利につきるシリーズ、というか、
これが作れたら幸せだろうなあって本です。
シリーズすべて、
新進気鋭の現代アーティストを起用。
文学と美術の幸せな融合。超贅沢!
どのシリーズも、サドや澁澤龍彦の過激さや異端さをソフトにし、
古臭さを消し去り、食べやすくしてます。
食べやすいことが道徳的にいいことかどうかわかりませんが、
これで読者層を広げてほしいです。
最近流行りのロリータやゴシック、
猟奇的な小説なんて、
子どもだましなのよっ!
ってことを、つきつけてほしいもんす。
サドは、実を言うと本を所有したい作家ではないです。
そばに置いておきたくない本のひとつ。
なんといいましょうか、
善悪とか正義、罪といった
自分の判断基準を揺らがされる圧倒的なパワーと
説得されそうになる論理性が、危ないんです。
これに感情移入したら、
非道な犯罪者になる(^_^;)
と、痛感するわけで、君子危うきに近寄らず。
初めて読んだのが高校生の頃でよかった。
自分の判断基準がはっきりできてない
幼い頃に読んでたら、今、ここで日記書いてません。
「ジェローム神父」絵:会田誠
発禁本によくならないな、と感心するほど、すごい内容。
神父さんがかよわい女性の目の前で、女性の恋人を殺害し、
そのまま、女性を虐待・強姦しながら、じわじわ殺していくという
単純に言うとそういう話なんですが、
そのときの主人公の行動と心理を事細かに描いていて、これが凄い。
感化されやすい私も、感情移入しきれないところがあって、
それで「ああ、凡人でよかった」と安堵。
官能と快楽は似ているようで、イコールではないとしみじみ。
弥絵は快楽至上主義者ですが、
他人を痛めることで快楽は覚えないので。
でも、読んでると極上に官能的。あぶなーーい。
「淫蕩学校」絵:町田久美 マルキ・ド・サド
「ソドムの百日」に通じる小説。
独裁的な変態学長と28人の性犯罪者たちに誘拐された、
12歳から15歳までの上流階級の美少年・美少女たちに
降りかかる不幸・・・
世のエロものの原点がここにって感じ?
ホラーというよりも、日本純正のオカルトもの。
澁澤龍彦の古典的な物語は、素晴らしいです♪
言葉のひとつひとつに重みがあり、
目を奪われるほど美しいです♪
「雨月物語」や「安寿と厨子王」などの
日本の昔話を彷彿させる舞台設定。
でもって、エロチィック。
なにはともあれ、山口晃さんの絵が甘美で美しすぎるぅぅ!!
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