アリスの不思議なお店
フレデリック・クレマン 紀伊国屋書店
本屋で表紙を見たときにニック・バントック(下記参照)
の新作かと思ってしまいました。
(比較するのも申し訳ないのだけど(^_^;))
イラストレータである著者が、
自分の娘の誕生日のために作った絵本。
評判になったから、出版したら
ボローニャ国際児童書展ラガッツイ賞を受賞したそうな。
お嬢さんのために書かれた本なので、
語りかけがとてもやさしく、包み込まれるような温かさがあり、GOOD。
でもって、この本、古今東西のおとぎばなしや伝説に出てくる人々の
レアアイテムが散りばめられ、わくわくします♪
白雪姫の靴下どめ、空飛ぶじゅうたんツアーの当たりくじ、
野生のピアノ狩りに使う塩入れ、ネモ船長の帽子、
魔法使いメルランのビー玉、 頭のおかしならくだの思い出、
星の王子さまの影の入った木箱 ・・・
よく似せてそれらしく作ったアイテムが撮影されていて、
ウソだってわかるんだけど、そのウソがしゃれてます。
なによりも、元の話を知っていると、
これは「海底二万里」、こっちは「アラビアンナイト」
んでもってこれはラブレーの「パンタグリュエル物語」・・・ ってな感じで、
元の話を思い出し、ぐんぐん空想が広がるところが面白い♪
元の話のチョイスのセンスがいいんですよね。
(元の話がとてもいい効果を奏しているともいえる)。
不思議な文通 グリフィンとサビーヌ
ニック・バントック 河出書房新社
というわけで、「アリスの不思議なお店」を読んで
懐かしくも思い出したニック・バントックの絵本もご紹介します。
独創的な美しい絵が描かれた絵葉書や、
実物の封筒が本に貼り付けてある
読むときには、封筒からレター用紙を出して広げて読む
変わった装丁の本です。
ある日、都会に住む若い画家の手元に、
南の島に住む全く知らない女性から手紙が届きます。
「あの絵のモチーフはコップにして正解でしたね」と
まだだれにも見せていない、 だれも知らないはずの、
自分の絵について書かれていて、 画家は仰天。
「あなたはだれですか?どうして僕の絵を知っているのですか?」と
返事を書いたことから、長い長い不思議な文通がスタートします。
謎とロマンチックと不可思議な魅力をたたえたストーリー。
そして、独創的でシュールな手紙の数々。
定価2500円くらいなんですけど、
この手紙をはりつける製本の手間を考えると、めっちゃ安いです!
本好きの方は、一家に一冊のオススメ品!
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