「世紀の歌姫」「神の声」と
称されるジェシー・ノーマンの
声を間近で聴いてみたい♪と思って、
生まれて初めてオペラに行きました。
初めてのオペラが、この舞台でよかったーー!!
度肝を抜かれすぎちゃって、
なにから話していいかわからないもんで、
今日は、手始めに、ストーリー紹介メインにします。
今回のオペラは2作を連続して、ひとりで歌うものでした。
双方とも失恋がテーマ。しかし、この失恋、強烈。
失恋というよりも、絶愛というべきか。
この強烈さはやっぱしフランスだからかなー
と、うなづきマーチです。
前半はシェーンベルク:モノオペラ「期待」。
フロイトの精神分析の影響を受けたという
1900年初頭のこの作品は、
一人の女性の内面世界を具現化してて、
はあ、もう、
幻想と死と愛と狂気が
暗い森の中から溢れかえってくる勢いでした。
ストーリーは、弥絵の大好きなサロメを想起させたんですが、
他の女性の元に行ってしまった恋人を殺した女性が、
殺したことも忘れて、恋人を探して、闇の森を歩み、
死の恐怖に怯えながら、ようやく男の死体を発見する。
男が死んでしまったことを嘆きながらも、
自分の手の中に男がいることに、喜び溢れ出し、
愛の告白を叫び続ける・・・そして最後に・・・。
ってな感じ。
クライマックスの狂気と歓喜が入り混じったところが
観ていて、哀しくも凄まじく、そして、
ほんとに喜んでるんだなーとしみじみ。
後半は、コクトーの台本で
プーランク:モノオペラ「声」。
こちら、開幕前に台本を読んだときは、
「もしもし、もしもし、どちらにおかけですか?」
「もしもし、もしもし、切れてしまったわ!!」
といった、電話でのセリフばかりが、延々46分もあったんで、
これで、オペラになるのかしら?と怪訝に思ったくらいでしたが、
すごいですねー、息つく間も与えてくれないほど、
緊迫した空気の中、魅せてくれました。
ストーリーは、なんたってコクトーですから、
淡々とした進行の中に、超劇的なドラマがあるわけで・・・。
愛し合った男が明日、別の女と結婚するという女が主人公。
前日、自殺未遂をしてベッドに横たわっていた彼女の元に、
男から「手紙を返してくれ」と電話が来る。
自殺未遂したそぶりも見せず、明るく強がりをいい、男と会話する彼女。
しかし、思い出に浸り語り合ううちに、
また、混線したり、電話が切れたり、状態が不安定になるうちに、
次第に、自殺未遂した真相を明かし、まだ愛している気持ちを伝え、
自分と行ったホテルにだけは、新しい彼女を連れて行かないでくれと懇願する。
優しいけど連れない男とのつながりは、今のこの電話だけ・・・
と思う彼女は、電話が切れる前に薬を飲み、切った後、静かに死に至る
といったような話です。
強烈。いやあ、男がだらしないとか、女が怖すぎるとか、どっちの肩を持つかは
観た人によって違うだろうけど、
自分が男だったら、結婚式の前夜に自殺する元カノはカンベンです(^_^;)
というわけで、2つの情愛深すぎるストーリーは、重く濃いわけですが、
この濃く、深いところにまで行きつくには、
超人的な体力と、パワーが必要だなーって、しみじみっす。
清姫や八百屋お七の話もあるんで、日本人にもできなくはないだろうけど、
「愛に生きる」ってのは、すべてを賭けてこそなのねーと。
でもって、たしかに、マリア・カラスとかは、それを体言してるわっと、
実在する人物を思い出して、また、しみじみするのでした。
※明日は、空前絶後の舞台美術についてカキコしますo(_ _)o
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