まだ今日届いたばかりの本で、1ページ目しか目を通してないから、
読み終えてから書いた方がいいんじゃないかな?
と、悩んでみたりしてるんですが、
やっぱり、言いたいから書くぅ〜!!
(って、個人の日記って本当に制約なしに
書きたいことが衝動的に書けるからいい。実感♪)
ICO 霧の城 宮部みゆき 講談社
ICOというのは、弥絵が2年くらい前に、あまりの美しさにゲットしたゲーム。
あたかもキリコの絵のようで、すげー、
と当時の日記
(2002年10月16日) にもカキコしました。
シュールで幻想的な雰囲気をかもし出す
パッケージデザインに惹かれ、
ゲームを始めると、それはそれは美しい3Dの世界で、
へえ、こんなことが表現できるようになったんだー
と思いつつ、
ちょっと難しかったから、途中で挫折したのよね(^_^;)
いけにえになるために霧の城につれて来られた角のある少年(主人公)が、
ひょんなことから、拘束から抜け出すことができ、
城の中を逃走中に、謎の少女に出会って助ける
ってのがゲームのスタートです。
本を開いて、1ページ目の1行目を見て、
ガツンっ!とやられました。
まいりました。
これぞ、作家!
これぞプロ!
んでもってこれぞ才能!
「機織りの音が止んでいる。
しばらく前から、老人はそれに気づいていた。そして待っていた。また機が動き出すのを。しかし、待てども待てども、それは沈黙したままであった。」
ゲームにそんなシチュエーション、
どこにもないよっ!
こんなじーさん出てこないよ!
てっきり弥絵は、ゲームと同様に、
霧の城に連れて行かれる少年の姿から始まるかと思ってましたよ。
違う違う。
1行目から察するに、この本の世界は、
ゲームの物語の100倍以上広がりがあるよーです。
広がって深くなって人格を持った人間がいっぱいでてくる。
そうです。これではっきりしたんです。
今まで出回っているゲームのノベルズ版は、
つまんないんです。ちんけなんです。
ゲームのすじをなぞって、
丁寧に解説を水増しして
つないでるだけだったのですっ!
(ゲームシナリオの作者とノベルズの作者が同一の場合は除く)。
ゲームのノベルズ化は、大ハヤリで、
人気ゲームが1本出ると、必ず何冊も、
幾人もの作家の手で書かれるものなのですが、
どれを読んでみても、いまいち・・・。
おこがましくも、自分の方がゴーストライターとして面白く書けるのではないか?と
思ってしまうくらいだったのですが、
宮部みゆき版「ICO」の1行目だけを見ても、
弥絵の想像力のふくらませ方と世界構築の技は、
宮部さんの鼻毛1本くらいしかないとはっきりしました。
1つの作品から、ゲーム、マンガ、
小説、ラジオ、ドラマCD、フィギュア・・・と
広がっていくマルチメディア展開の手法は、
ここ5年ほどすごい勢いで伸びていて、
こと、おたく市場はばか伸びなんですが、
たいていの売れ筋のものは、
完成度の低さを全包囲網でカバーして
よりかかりながら成立していたってことを納得しました。
ゲームノベルズ界に素晴らしいお手本を提供してくれました。
これで、かなり動きや市場が変わるよーな気がする。
中堅作家ががしがしノベルズ小説を出すかもしれない。
しかし、だれも追従できないよーにも思う。
ICO…私もやった。すごいはまった。
最後はどうなるんだろう…って思って。あれってあのあとどうなるのかなぁ。
本があったのね。今度帰国したときには絶対に買ってみます。
投稿情報: Aya | 2004-06-19 01:51
お久しぶりです。ブログの方だとコメントがつけれるんですねー。
さて、僕がゲームのノベライズと聞いて一番最初に思い浮かぶのは、
「WIZARDRY」の一作目を題材にした
ベニー松山『隣り合わせの灰と青春』
です。
これは昔々僕が小学生か中学生の時にやったゲーム/読んだ本で、
元の作品世界をうまく利用し、
さらにその上を行った希有な作品だと思います。
まあいろいろと工夫は凝らされているものの、
ある意味ではとてもありきたりな物語なんですが、
未だにノベライズものとしてはこれを超えるものに出会っていません。
大人が今読んで面白いかどうかは微妙ですが、
今でも読み返したいと思う一冊ですね。
投稿情報: カウント | 2004-06-22 03:16