今日からにかわ、墨、岩絵の具を使った絵を描き始めました! 今まで鉛筆、水彩、油絵の具などは使ったことあったんだけど、日本画材は生まれて初めて。なにもかも、新しい体験で面白い♪ にかわは古代からノリの役目をしてきて、動物や魚のにこごりみたいなものでできるんですって。よくそんなものを大昔の人が発見したなあって感動。
まず、鉛筆デッサン(写生)したものを、トレッシングペーパーに書き写し、それを厚紙に和紙を張ったものに書き写し、2回複写します。2回も手で転写するもんで、線はどんどん単純になっていきます。しかも、輪郭線しか描かない。「モノの輪郭線とはなにか?どこにそんな線があるのか?」を問い続け、面でとらえる油絵(西洋絵画)と正反対で面白い。で、和紙に転写した線を今度は墨でなぞるんですが、これまた「自然界に黒い線は存在しない」という油絵と正反対。アンチ西洋絵画様式! ここまで違うとはまったく気がつかなかった。
最近、ふと気がつくと風景を、2点透視遠近法や3点透視遠近法で眺めている自分に気がつき、本当に今、見えているものは、その形なのだろうか?と、考え込んでしまうこともしばしば。見たまんまを見る幼児期の自分にはもう後戻りできないと思うので、疑ってもしょうがないんですけど(^_^;) とにかく自分の頭の中には西洋絵画の様式が当たり前のこととしてぶち込まれているよーだ(世間の絵や写真はほとんど全部そーだ)。
遠近法ってのはいろいろあるけど、例えば大きい○と小さい○を並べて、この2つの円はほんとは同じ大きさだったとしたら、どっちが遠くに見える?なんていう話なわけです。「平面に並べて描かれてるんだから○の大きさが違うだけじゃんっ!」と突っ込みたくなるのを、「小さい○が遠いです」って答えて正解になるよーなだまし絵です。2点透視遠近法や3点透視遠近法は、遠近の差異や奥行きを明確に区別するのに便利です。見えてない部分まで想像できちゃうくらいなんす。人間の脳みそは欠落している部分の情報を補完することができるそーですが、その補完がなにげに西洋絵画の基本だけだったとしたら、ちょっとつまんないかも・・・と思ったりもし。
ところで、和紙に墨で線を描くって楽しいんです♪ちょっと筆で触れるだけで液体がどんどん紙に吸い込まれていく感触は最高! でもって、にかわをゆびで触って、ぺたぺたするのも楽しい♪ 最近、パソコンとかゲーム機ばっかいじってて、全然、そういうプリミティブな感触を感じながらモノを作ることなかったんで、これを忘れちゃいけないなあとしみじみ。昔はラフや原稿を書くのも鉛筆でやってたんだけど、そういうえば、あの頃、鉛筆の走る音や紙の抵抗感がけっこう楽しかったかもしれない。
毎回、さりげなくもエンターテイメント(しかも社会派の要素もあり!)な弥絵さんのBLOG記事ですが、今回は特に興味を惹かれるものがありました。
肉眼で捉えている3Dの世界を2Dに置き換える絵画の技法っておもしろいです。
写実的な作品が多い西洋の絵画に比べ、完全にフラットなな墨絵って、不必要な情報をどんどん落としていく作業のような気がします。なにか「わび、さび」に通じる世界があるような。
弥絵さんの作品を一度拝見してみたいですー。WEB上で個展を開いたりとか、そういうのおもしろそうですね。
投稿情報: ケン | 2004-11-27 13:01