書いた日記が全部消えたぁ~(;_;) しくしく。
気を取り直そう・・・。
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「伝奇集」を原作にした「デス&コンパス」って映画をちょっと前に観ました~。これが衝撃!弥絵がイメージするボルヘスの世界と正反対すぎて面食らったのであります。演奏家によって同じ楽譜でもまったく異なる解釈になるごとく、小説も読み手によってイメージされる世界が全然違うのだなーとしみじみ。
弥絵がイメージするボルヘス世界とは、映画でいえばタルコフスキーの「鏡」「ノスタルジア」、もしくは、フェリーニの「世にも奇妙な物語」(原作はポー)。静謐で幽玄で透明感のあるヨーロッパ的なイメージなんす。二人とも亡くなってしまったので、今、生きている監督だったら・・・と考えると、ホセ・ルイス・クエルダ(「にぎやかな森」「蝶の舌」)、エルマンノ・オルミ(「木靴の樹」「聖なる酔っぱらいの伝説」)あたりを監督にして、撮影をタルコフスキーの片腕ジュゼッペ・ランチ、フェリーニの片腕で「薔薇の名前」や「ライフ・イズ・ビューティフル」のトニーノ・デリ・コリ、「ポンヌフの恋人」「汚れた血」のジャン=イヴ・エスコフィエあたりがいいなあ~♪ 全部、ヨーロッパの人。やっぱ、ボルヘスはヨーロッパでしょう!
が、この「デス&コンパス」、舞台を南米にしてるため、原色ギラギラの生命力が溢れかえる強烈な色彩。ボン・キュ・ボン!のねーちゃんたちもいっぱい出てくるし、天界の礼節と地上の混沌がごちゃまぜになったような感じ。う~ん、哲学的なボルヘスがぁ~(^_^;)と思ったのだけど、はっ!としました。そう、ボルヘスが住んでいたのは南米のブエノスアイレス。こっちの方が忠実なのかもぉ~。自分の想像力の限界というよりも、血の限界を感じました。
監督は「シド&ナンシー」のアレックス・コックス。びっくりはしたけど、いいな~と思ったのは、見事なまでにボルヘスの「迷宮」を具現化してるとこ。ラストの巨大な廃墟の迷宮も素晴らしかったけど、細かくカットしてつなぎ合わせ時間の流れを不連続にする凝り性はカルトだなあ~・・・と。ちなみに、アレックス・コックスはイギリスのオックスフォード大出身。やっぱ、ヨーロッパなのよね。
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