今年は伝統芸能に燃えようと決意した私。年末年始に母もいることだし親孝行でもするかーと、年末に能や歌舞伎のチケットを探したのです。しかし伝統芸能はカンタンにチケットが手に入らない分野らしく、公演半月前での時点では完売ばかり。なんとか人づてに宝塚の公演チケットをゲットし、今日は生まれて初めて母と一緒に宝塚を見てきましたー。生まれて初めての宝塚なのです。さっぱり知らないのです。なのでこれから書くことはファンの方、どうかお見捨ておきください。
演目は「落陽のパレルモ」と「ASIAN WINDS!」の2本立て。幕が上がる前に劇団員の方からスポンサー紹介がなされ、その最後にアナウンスした人の自己紹介が・・・「はるのすみれでした」。まずこの芸名でびっくり。はるのすみれ・・・すごい名前だ。さすが「スミレの花咲く頃~」の宝塚らしい名前だなーとしみじみ。パンフを見たらトップスターの方で「春野寿美礼」さんというらしい。でもって観に来たのは「花組」の公演であることが判明・・・いかん、スタートの時点で周囲の観客と比べて基礎知識が恐ろしく欠落している。自分、ひどすぎるかも・・・と反省。
そんなこんなで「落陽のパレルモ」の幕が上がりました。19世紀の市民革命が盛り上がるイタリアでの平民の男性と貴族の女性の禁じられた愛の物語。革命前の最後の絢爛さを誇る貴族文化のゴージャスなこと。ヴィスコンティーの「山猫」さながらの舞踏会の美しさ、ドレスも素晴らしいし、なにより美男美女ばかり! 主役の春野寿美礼さんの歌声の伸びと響きにびっくりしつつ、ひとつひとつの身のこなしのかっこよさに惚れ惚れ。軍服の足元まである長いマントをひるがえす姿や、階段をスマートに降りる姿は、少女漫画に出てくる理想の王子様でした! なるほど宝塚とはこういうものだったのか・・・と納得。
で、「落陽のパレルモ」が終了したとたん、会場に照明がさっさと入って30分の休憩。宝塚が初めての弥絵には、なぜアンコールのコールが客席から出ないのか「???」。出演者の最後の挨拶や紹介などもないのが不思議だったのだけど、「ASIAN WINDS!」が始まってこれまた納得。こちらはレビューで、さっき出てきた人全員が出て歌ありダンスありの、いうなれば1時間の長い顔見世アンコールって感じでした。
モンゴル、沖縄、韓国、中国、日本などの伝統芸能をベースにした群舞は幻想的で、全員の踊りがきれいに揃っていてこれまた美しかったです。みんな、足もめっちゃ上がるし、動きも俊敏だし、指先まで揃っているし、練習量の多さと選ばれた人たちの才能に感心。フレンチカンカンも初めて生で観られて感激!
いままで宝塚の舞台はテレビで放送されているのを、ちらりと観たりしてたんだけど、生の舞台じゃないと面白くないんだなーって気がつきました。舞台全体を見渡さないと、トップスターをトップスターとして見せるための細やかな工夫が伝わってこないんです。一部を切り出すテレビの映し方だとトップスターへの照明の当て方や他の役者さんたちの立ち位置の工夫とかもわからないし、化粧も派手に見えるかも。っていうか、これほどまでにトップスターに集中する舞台なんだなーと、生を見て初めて発見。他の演劇にはなかなかない作り方が面白かったです。
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