母が上京してるもんで、能でも観るか・・・と国立能楽堂に行ってきました。歌舞伎の方がわかりやすくて派手でいいかなーと思ったんですが、とにかくチケットがとれません。今日見てきた「若手能」もとるのに苦労しました。伝統芸能って需要と供給のバランスが、めちゃ悪。私のように「今まで見たことないけど、興味あるから・・・」ってな人は多いと思うのだけど、そういう人が最初の一歩のチケットゲットからできない。きっと儲ける気がないんだろうなー。裾野を広げなくても十分にやっていけるというか、公演で儲ける必要がないのかもしれない・・・。
それはともかく、能。慣れてないので地歌や演者がなにを言っているのか聞き取れず、ほとんどボーっとしてて、派手な動きになると「おおおっ!!」と見つめる感じでした。なにせ長い。1つの演目が70分とかある。言葉がわからないと動きがない分、ちょっとつらい。客席をきょろきょろ見渡すと3割くらいの人がコックリコックリしてて、山場になると目を覚ます・・・という・・・そういうもんなのかな? 自分だけではなかった・・・と安心しつつも変わった世界でした。
ともかく、ミュージカルも演劇も動きを見ていれば筋がわかるもんだし、チャップリンの映画だってセリフなしで全世界の人がわかるというのに、能というのは言葉の占める割合がすっげー多い。これほど言葉が重要な劇って珍しいのでは?言葉メインなので、とっても概念的です。
でもって、面白いなーと思ったのは、今日観た2つの能は、両方とも、その場で起きていることを演じる劇じゃなくて、回想や聞いてきた話を語るってものだったんす。幽霊が出てきて生きていた頃のことを物語るとか、山伏が旅で見たことを人に伝えるとか、「話を伝えているシーンを演じる」なので、「そんなこと現実ではありえないよ(身体を使って演じられないよ)」ってなことも、言葉で語っちゃうと有り得ちゃうんですよね。こういうやり方もあるんだなーと感心。
なんかまだよくわかんないけど面白いなーと思いました。そんなわけで、今年は伝統芸能に燃えます!
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