週末、念願の、ああ念願の玉三郎さんの歌舞伎を観てきましたー! 歌舞伎座の7月歌舞伎は昼も夜も玉三郎さん監修・演出の「泉鏡花」。弥絵が観た昼の部は「夜叉ヶ池」と「海神別荘」。あの美しいお方が幻想的で妖艶で耽美な泉鏡花をやってくれる! しかも、お相手は海老蔵さん!とくれば、こりゃ観ないわけにはまいりません! ありがたいことに歌舞伎通の先輩が、にゃんと!桟敷席を取ってくれまして、花道がまん前の桟敷席で正真正銘の幕の内弁当なんぞ優雅に食べながら歌舞伎を観たのでございます! もうメロメロです。
「夜叉ヶ池」も「海神別荘」も現代的にアレンジされていて、セリフもばっちりわかります。特に「海神別荘」の方はバックミュージックはハープの演奏で、衣装も現代的。いや、現代的というよりも、どこかで見たことがある・・・とっても見慣れている・・・「きゃー!素敵ぃー!」とドキドキして、ついにプロマイドまで買ってしまった燃え上がる気持ちが沸き起こるのはなぜ? と思っていたら、美術が天野喜孝!!! 「ファイナルファンタジー」の世界ですよ! これほどまでにファイナルファンタジーの世界を、もとい、天野喜孝の世界を人間が実現可能とは!びっくりです! 玉三郎さんも海老蔵さんも人間離れした雰囲気が、所作のひとつひとつにあるから可能なことなんですね! カリスマ度といい美しさといい2人とも人間技じゃないわっ!
余談になりますが、押井守監督の「紅い眼鏡」などの実写映画を観るにつけ、「やっぱりアニメじゃないと押井監督の世界は表現できない、役者がちんちくりんに見えちゃうっ(号泣)」と思っていたものですが、玉三郎さんと海老蔵さんなら実現可能だと確信しました。
以下、おまけ。ぜひ、泉鏡花の美しい魔術的な原作をお読みください~。
■「夜叉ヶ池」あらすじ
1日3回、必ず鐘を鳴らさなければ、夜叉ヶ池から津波が起きて村が水底に沈む・・・そんな伝説を信じる者は村にはほとんど残っていなかった。
この話を唯一信じていたのは身寄りのない美女・百合と、はかなげな彼女に心を寄せた都会からやってきた青年、晃の2人だけ。晃は百合と離れがたく、故郷を捨てて鐘つき番となり、彼女と2人で山奥で暮らしていた。
さて、夜叉ヶ池の主・白雪は、遠い昔に人間と交わした鐘の約束よりも、恋しい白山の若君と暮らしたくて、早く夜叉ヶ池から出て行きたいと考えている。しかし、自分が夜叉ヶ池から去ると村が水に沈んでしまう。晃と百合のむつまじい姿を見ていると、池から去るのも忍びない・・・と、苦悩する日々。
そんなある日、村人達は雨乞いの生け贄にと村一番の美女・百合を夜叉ヶ池にささげることにしたが・・・。
■「海神別荘」あらすじ
美女を見初めた海の王子が、たくさんの贈り物の見返りに、海に美女を捧げてもらう。美女は自分は生贄になって死んだかと思っていたところ、たどり着いたところは、美しく優雅な海底の宮殿だった。
王子に愛され、幸せに暮らす様子を親に見せてやりたいと思った彼女は、王子に故郷に帰ることを願い出る。しかし、すでに人間ではなくなった彼女の姿は、人の目には大蛇に見えるのだ・・・と王子が告白したところ、彼女は嘆き哀しみ王子を非難する。人間の世界の価値観を崩せない美女に、愛想を尽かした王子は彼女を殺そうとするが・・・。
おおおお、そんな素晴らしい企画があったなんて。。。うらやましすぎます(><)
投稿情報: Kagege | 2006-08-02 13:31