熊野の花窟神社に行った翌日(つまり今日)、奈良の明日香周辺のお寺さんを父に案内してもらおうと思っていたところ、雪が降ってしまったので、「山道は車では危ないから、このまま東京に帰りなさい」とのこと。せっかく関西まで来て、なにもしないで東京に帰るのは残念だなーと、あこがれの法隆寺に行くことにしました。
なんと、私、法隆寺ははじめて! 釘を1本も使わずに建立したという世界最古の木造建築を見られるぞ! とルンルン気分。中学生の頃、山岸涼子さんの「日出処の天子」を思い出して、ますますルンルン気分♪
昨日の熊野の暖かさはなんだったんだろう?と思う、すっげー寒い中、ローカル線に乗って法隆寺に行ったのでした。
門の前に来ると、渋い色彩のお寺さんが!趣あるし、迫力があってかっこええーー!さっそく五重塔にGO!
あ、そういえば言い忘れましたが、私、動物的なカンが発達してまして(というか野生のまま残ってるというか)、犬や猫と同じく、自分にとっていい場所とそうじゃない場所を直感的に判断できます。家探しをするときや、道を歩くときにそこそこ便利です。
で、五重塔はぞくぞくしました。もう、総毛立つくらい。いいとかわるいとかで判別つかなかったんですが、五重塔の真下から、重量感ある冴え冴えとした凄みのあるなにかが、絶えず勢いよく登り立ってる感じで、さすが法隆寺はすごいなあと。その緊張感とぞくぞく感は、しびれるくらいでした。五重塔でなにかを押さえてるんですかね?塔そのものよりも、塔の下がなんかありそーな感じでした。これは得がたい経験をしたと、来てよかったとしみじみ。
そして、えっと、不謹慎なことを言ってしまい恐縮なのですが・・・。夢殿は、私的に受け付けませんでした。あの「日出処の天子」で聖徳太子が横になって、夢を見ていたというあこがれのところだったのだけど、夢殿の中を覗いた瞬間に吐き気。いままでなにかを避けるときは「怖い」とか「薄気味悪いな」「やばいな」「生臭いな」という感じがあって感覚で避けてきたんですが、「感じる」の前に内臓が反応して、突然吐き気がするなんて、自分でもびっくり。わけわかんない。このはじめての反応の原因はなにかしら?と、探ろうとしたけど、お堂の中を見ると吐き気がするので挫折。けして「怖く」はないんです。そういうのを超越しちゃってるというか。とにかくこの中に入ったら、絶対にいけない、ということだけは理解しました。
いつもはこんな体験するとお祓いしたいなあと思うのですが、五重塔の地面下の力と夢殿の力で均衡を保っていそうだから、この場所は大丈夫だろう、と思った次第。五重塔の方も人を守るとかやさしさってのは感じないんだけど、冴え冴えとした鋭利な感じはよかったんだよなー。五重塔の地面の下から力がぬけちゃったら、均衡が崩れてたいへんそうですね・・・。
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