「演劇が好き」というほどの知識はなく、誘われるとなんでもトコトコついていくほうです。今年最初に観た舞台は「シャーマンビジネスマン 乱童 RAN−DOH」。「ガンダム」「ポケモン」「BLEACH」などで活躍しているスゴイ声優さんたちが出演する舞台です。
ストーリーは、主人公は役小角の末裔。霊能力は人一倍だけど、人がいいために極貧生活。ある日、生活を助けてくれる大金持ちの空海の子孫の僧侶から、デパートの地下で泣いているマネキンがいるから供養してやれ、とたのまれる。マネキンの願いを聞き届けようとしたそのとき、とんでもなく粗悪な封印で巨大な悪霊が封じ込められていることがわかり…って感じ。
世界観よし。キャラ設定かっこよし。役者さんの演技もダンスもうまいし、キメのポーズもいいし、テンポも、舞台美術・衣装も、照明もがんばってる。予想以上におもしろかったのですが、なんだか残念な気持ちが後を引いてます。なんでかしら?と、うつらうつら考えてみました。
【その1:アップがない】
歌舞伎? 劇団新感線? 宝塚?にも近いけど、いやそれよりは、まるでマンガのようなおもしろさ。「月刊Gファンタジー」みたいなマンガ雑誌で連載すれば、10巻はいけるヒット作ではなかろうか、と思ったのですが、なにかが足りない……そうだ、アップがない! マンガっぽいのにマンガににあるべき「アップ」のシーンが舞台だと表現できないので、迫力に欠けるところがおしかったです。大スクリーンで紙芝居みたいなものを併用すれば、そうとうおもしろいのに、と思いました。
※オタクな話になりますが、マンガとアニメは違います。この企画をした方はきっとマンガの方が好きなんだと思います。キメのポーズを連発するおもしろさは、コマ割とコマをはみだすアップができる、マンガのほうが向いているので、動画(アニメ)ではなく、紙芝居(マンガ)を併用するのがあっているかと。
【その2:声の演技力のレベルが高すぎると、舞台の大ぶりな表現に合わなくなる】
日本を代表する声優さんたちが集まっていましたから、ふつうのセリフどころか、ため息ひとつ、小さなつぶやき声とか、繊細な部分の表現力さえも、尋常じゃありませんでした。声の演技力ってすごーい、と思ったのですが、舞台は遠くで観ている観客のために、演技を大きめにしないといけないものなので、それとのアンバランスさがもったいなかったです。
それだけ声の演技力がケタはずれで、目をつぶったときのほうが、その世界を広く豊かに感じちゃった…ってことなんですけど。
最近、朗読CDやドラマCDの発売本数が多くて、フルハイビジョンでビジュアルがすごいことになっている時代に、聴覚だけのラジオのようなものが、なんでそんなに売れるのかな?と思ってましたが、その人気の理由がわかった気がしました。
【その3:白黒はっきりしすぎ】
キャラクター設定はとてもよかったのですが、そのキャラクターがいかにもやりそうな行動やセリフが、あまりにスムーズに出てきていることが気になりました。つじつまがあいすぎているのが、逆にしっくりこない感じでした。テンポを重視するとそうなるのかな?
ハムレットみたいに「生きるべきか、死ぬべきか」を長々うんぬんしろ、とか、亡霊みたいに謎めかせろ、というわけではないのですが、どっちつかずや、気まぐれだったり、灰色な部分、白から黒、黒から白に動いたり、そんな瞬間の…とまどったり、矛盾する人の心情みたいなものがあったほうが、人物像に味が出て、より共感できたかもしれません。「役」は生み出した作者の筆を裏切ってもよいような気がするなあ、と思ったのが、今回の発見でした。
ストーリーは、主人公は役小角の末裔。霊能力は人一倍だけど、人がいいために極貧生活。ある日、生活を助けてくれる大金持ちの空海の子孫の僧侶から、デパートの地下で泣いているマネキンがいるから供養してやれ、とたのまれる。マネキンの願いを聞き届けようとしたそのとき、とんでもなく粗悪な封印で巨大な悪霊が封じ込められていることがわかり…って感じ。
世界観よし。キャラ設定かっこよし。役者さんの演技もダンスもうまいし、キメのポーズもいいし、テンポも、舞台美術・衣装も、照明もがんばってる。予想以上におもしろかったのですが、なんだか残念な気持ちが後を引いてます。なんでかしら?と、うつらうつら考えてみました。
【その1:アップがない】
歌舞伎? 劇団新感線? 宝塚?にも近いけど、いやそれよりは、まるでマンガのようなおもしろさ。「月刊Gファンタジー」みたいなマンガ雑誌で連載すれば、10巻はいけるヒット作ではなかろうか、と思ったのですが、なにかが足りない……そうだ、アップがない! マンガっぽいのにマンガににあるべき「アップ」のシーンが舞台だと表現できないので、迫力に欠けるところがおしかったです。大スクリーンで紙芝居みたいなものを併用すれば、そうとうおもしろいのに、と思いました。
※オタクな話になりますが、マンガとアニメは違います。この企画をした方はきっとマンガの方が好きなんだと思います。キメのポーズを連発するおもしろさは、コマ割とコマをはみだすアップができる、マンガのほうが向いているので、動画(アニメ)ではなく、紙芝居(マンガ)を併用するのがあっているかと。
【その2:声の演技力のレベルが高すぎると、舞台の大ぶりな表現に合わなくなる】
日本を代表する声優さんたちが集まっていましたから、ふつうのセリフどころか、ため息ひとつ、小さなつぶやき声とか、繊細な部分の表現力さえも、尋常じゃありませんでした。声の演技力ってすごーい、と思ったのですが、舞台は遠くで観ている観客のために、演技を大きめにしないといけないものなので、それとのアンバランスさがもったいなかったです。
それだけ声の演技力がケタはずれで、目をつぶったときのほうが、その世界を広く豊かに感じちゃった…ってことなんですけど。
最近、朗読CDやドラマCDの発売本数が多くて、フルハイビジョンでビジュアルがすごいことになっている時代に、聴覚だけのラジオのようなものが、なんでそんなに売れるのかな?と思ってましたが、その人気の理由がわかった気がしました。
【その3:白黒はっきりしすぎ】
キャラクター設定はとてもよかったのですが、そのキャラクターがいかにもやりそうな行動やセリフが、あまりにスムーズに出てきていることが気になりました。つじつまがあいすぎているのが、逆にしっくりこない感じでした。テンポを重視するとそうなるのかな?
ハムレットみたいに「生きるべきか、死ぬべきか」を長々うんぬんしろ、とか、亡霊みたいに謎めかせろ、というわけではないのですが、どっちつかずや、気まぐれだったり、灰色な部分、白から黒、黒から白に動いたり、そんな瞬間の…とまどったり、矛盾する人の心情みたいなものがあったほうが、人物像に味が出て、より共感できたかもしれません。「役」は生み出した作者の筆を裏切ってもよいような気がするなあ、と思ったのが、今回の発見でした。
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