ぼーっとネットを眺めていたら、防衛省仕様書一覧というページを見つけました。防衛省で使う物資を作る会社のための、入札用の仕様書です。
入札用の仕様書というのは、「お仕事したいです、がんばって作ります」と手を挙げたところに渡すもので、料理でいえばレシピみたいなもの。製品の設計や素材、作るときの注意点、合格ラインを定義した文書です。この仕様書、いずれもさすがお国の仕事。きっちり正確にまとめているなあ、くわしいなあ。
なにせ、防衛省とくれば身近ではない製品もいっぱい。ラインナップの幅が広いです。ロケットモーター、擬爆筒地上破裂、9mm機関けん銃、化学消防車、7tトラックなどハードなものやら、まくら、ふとん、制服、国旗、たくわん漬け缶、味付ハンバーグ缶詰、らっぱ、打楽器用手袋などなど。おもしろいー。
物欲いっぱいの私。それがエスカレートしたのか、最近では、物になる以前の状態…設計図とか仕様書を読み込むことがたのしくなってきて、女子として、そういうのもどうなんだろう?と思うわけですが、絶対に作らないであろう製品の仕様書を眺めて、ほほおーと感心。こんな素材を使ってるんだーとか、こんな強度テストしてるんだーと、ちょっとおもしろくなってしまいました。
たとえば、9mm機関けん銃は、不良品の規定のところを見ると、射程距離50mで標的は40cm×40cm、2500発撃ってミスは8回までが標準とわかります。初速は247m/sで、発射速度は1分間に650発(発射速度ってなんだろう?)…まあ、ともかく、撃たれたら逃げられません。マンガみたいなよけ方はムリだろうなあ。私、50m走何秒だったっけ?…こわっ。
たとえば、たくわんの缶詰は、昆布は北海道産、大根は国産で25%乾燥させたものを使用して、18mmの厚さに輪切りして煮ると。つけ込みは適度で、歯切れよく、光沢と香味良好であれと。
レシピがあれば、だれでもそれなりに物は作ることができるものなので、こんなにくわしくてよいのかしら? と心配にもなったりしたけど、ま、素人で作ろうって人はいないんでしょうね。