「ブルータス」だったか「Pen」だったか忘れましたが、
最近はインテリア&雑貨のおしゃれな特集が多いなあ、
きっとみんなお金を持ってるけど、
使い道がないんだろうなあって
思いつつ、立ち読みをしていたら、
なんと「惑星ソラリス」リメイク版
主演ジョージ・クルーニー
というタイトルが目に飛び込んできました。
ひえええっ!
「惑星ソラリス」といえば、弥絵がダイスキな映画監督
タルコフスキーさまの傑作作品。
原作者はスタニスワム・レム。
淀川長治さんはこの映画を
「二〇〇一年宇宙の旅」では人間の征服欲の原罪をさぐったが、
「惑星ソラリス」 はもっと深く夢想の実現というか、
人間の永遠のテーマたる不死へのさぐりを入れたSF なのである。
と絶賛しました。
観てない方向けにストーリー紹介♪==
地球のそばに、海を持つ「ソラリス」という惑星があり、
大昔から探査を重ねていたにも関わらず、 ずっと謎に包まれていたわけ。
ソラリスに行った宇宙飛行士は「赤ん坊の顔が海に浮かんでいる!」と
支離滅裂になるし、いったいなんなんだ?
人間の精神に影響を及ぼす秘密があるのかも?!
ってなわけで 、心理学者のクリスが調査に参加することになったのだ。
ソラリスの海には人間の脳の記憶を物質として再現する力があり、
クリスは2年前に死んだ妻に出会う。
登場したばかりの妻ハリーは、無機的で感情を持たなかったが、
次々と自分の記憶を取り戻し、ハリーそのものになっていく。
心や感情の豊かさが人間そのものだとすれば、
ソラリスによって蘇った物質は、人間そのものではないか?
ハリーは、死んだはずの自分が存在することに不安を覚え、
自殺を遂げる(けど、すぐにクリスの記憶によって蘇るんだけど)。
ソラリスの海が物質化していく世界と、現実の狭間で、
科学者としてどう考えればいいか悩んだクリスは、
ついに・・・。
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おおざっぱなあらすじですが、
水と光の人智を超えた美しい映像とともに、
人間とは? 記憶とは? 科学とは?
そして、愛と宗教とはなにか?まで、
突き詰めつくした本作品、
技術はすごいけど、大味な解釈が多い
アメリカ産映画でリメイクできるのか?!
しかも、この主人公クリスが、
すでに人生に絶望して枯れ切った男だからいいのだ。
だからこそ、2年前に死んだ妻に対する
秘めた愛情、死に至らしめた悔恨が伝わってくるし、
再会したときに痛み、戸惑い、
そして喜びが募っていく様子が手にとるようにわかるってもの。
妻しか彼を生き生きとさせる女性はいなかったわけ。
ところが、今度主役に決まった
ジョージ・クルーニーは、ぎらぎら系。
ハリーじゃなくても、美女が隣にいれば、
絶対にちょっかいを出しているハズ。
ムリだー!絶対にムリーだー!
ちなみに、リメイクの監督は
スティーブン・ソダーバーグ。
「オーシャンズ11」
「セックスと嘘とビデオテープ」
「トラフィック」
「エリン・ブロコビッチ」の監督。
悪い監督とはいわないけど、
タルコフスキーとの共通点は見当たらない。むぅ。
昨年の「A.I」に続いて、むぅーと思う
映画の話でありました。
やっぱし、タルコフスキーとキューブリックの
映画はリメイクしない方がいいと思う。
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