「チェブラーシュカとなかまたち」
ウスペンスキー作
いじゅういんとしたか訳・新読書社
ゴールデンウィークに出会った
「チェブラーシュカ」というキャラが出てくる
おおもとの本をゲットしました♪
ロシア発の子ども向けの物語です。
最初の方を読んでみました。これが痛快!
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物語の始まり・超要約
チェブラーシュカはジャングルに生息する謎の生物で、
ジャングルに住んでいる間は、名前がありませんでした。
ある日、収穫中のオレンジの箱を発見し、
その中に入って食事&気持ちよくなって寝ている間に
ロシアに連れて行かれてしまい、
人間が「チェブラーシュカ(よくころげるやつ)」
と名づけて、ようやく名前がつきました。
だいたいキリンもぞうも、
人間が名前をつけなければ名前なんてなかったんです。
そして、キリンもぞうも人間からなんて呼ばれているなんて、
考えていないのです。
ところで、チェブラーシュカには住む場所がないから、
動物園に入れようと人間は考えました。
ところが、どの生物のジャンルにも分類することができなかったので、
動物園側でいやがり、動物園にも入れてもらえなかったのであります。
そこで、電話ボックスに住むことになりました。
チェブラーシュカは好きな人と話ができる電話を喜びました。
知り合いがないので、電話はどこにもかけられないのですが、
チェブラーシュカはへいきだったのです。
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子ども向けの絵本なのに、
この深さはなんなんだっ!!
ロシアの子どもは小さい頃からこんな本を読んでるだなあ、
それって、人間形成にすごい影響するよなあと、しみじみ。
たしかに動物は自分たちそれぞれに名前をつけない(たぶん)。
でもって、不思議なことに地球はとっても広いのに、
どこの地域にいっても、個人を識別する名前は存在していて、
聖書だって「はじめに言葉ありき」ってなもんで、名づけることをちゃんとやってるし、
日本書紀だって、
「古に天地未だ剖れず,陰陽分れざりしとき……」ってなもんで
天から海に棒をつきさして、ぐるぐる回してできた島や、
生まれてきた神様たちに名前をつけてるし、
言葉による名づけって
「存在証明」のひとつ。
さらに、既成のカテゴリーからはみだしたら、
取り扱ってもらえないってのが、
いやあ、すごい設定だなあって、感心したのでありました。
たまたま、読んでいた、
「MONSTER」浦沢直樹・小学館
の最終巻(18巻)に、
絵本がおまけについてまして
「なまえのないかいぶつ」ってタイトルなんです。
マンガの中でとても重要な位置をしめる
この絵本のストーリーは、
名なしの怪物が、2つに分かれて名前を探しに
世界に旅立ち、
人間の欲望をかなえる代わりに、
名前をつけてもらうという約束をし、
しかし、無邪気にもその人の身体をのっとって
破滅させてしまう・・・
で、物語の最後には、怪物ひとりに名前がつき、
名前のつかなかった怪物の方は、
「名前なんてなくてもしあわせよ」と言うんです。
「チェブラーシュカとなかまたち」と
「なまえのないかいぶつ」は
逆の話なんですが、結局は同じところに
結びつくようで、面白かったっす。
はじめまして★ヤフーのブログで童話を書いています。もし興味があったら一度遊びに来て下さい★http//blogs.yahoo.co.jp/zoysparty
投稿情報: 竜太郎 | 2005-09-19 12:46