神保町の古本屋の老舗、一心堂書店と小宮山書店で本を2冊ゲット。
たった2冊なのに、ずっしりと重い!
この重さは最近の単行本にはない重さだわっ!
昔の本の方が、斤量の重い高い紙を使っていたに違いない。
確かに年間の出版数がうなぎのぼりに伸びたのは、
たったここ10年の話。
急速に、 本の存在そのものが
ライトになったんだろうなあ〜としみじみ。
普及したとも言うけど。
とはいえ、電子本のようなさらにライトな存在には
ならないよーな気がする。
LPがCDに取って代わられたとき、
ヒットしたときの売り上げ枚数は、
軽くミリオンセラーになり、
媒体が変わることで、こんなに伸びるものなんだ
とびっくりしたもんだったけど、
電子本になったからといって、
本の売り上げが数十倍になるとは思えないわん。
で、買った本。今日は1冊ご紹介。
叢書 創造の小径
「想像力の散歩」
ジャック・プレベール
/ 粟津 則雄 (訳) 新潮社
この本の背表紙を見た瞬間に、
あ!このシリーズ3冊持っていたはずなのに、
今、うちの本棚にないっ!と思い出しましたっ!
なもんで即買い。
背表紙を見るまですっかり忘れてたんです。バカですねえ。
誰かに貸した覚えはあるんだけど、
誰に貸したかもうわかんないわ(^_^;)
70年代に刊行されたシリーズで、1冊、定価5000円弱。
30年前に5000円弱よ。すごいわよ。
いまどき5000円もする本はなかなかないから、
本のポジションは変わったんだなーとしみじみ。
変わらないって思ったのは、老舗の古本屋の稀本の値段で、
初版本が1冊2万円とか、高いものだと10万円とかしてて、
値上がりもしてないんだけど、値下がりもしてない。
デジタルな時代に、古い本が初版
というだけで定価よりも跳ね上がる・・・
この不屈の根性ともいえる価格が、
「本」をあるべき地位から堕さない
歯止めになってるのかも。
BOOKオフに負けずにがんばってほしいもんす。
さて、ジャック・プレベール。
フランスの詩人です。
有名なところではイブ・モンタンが歌ったシャンソン「枯葉」の歌詞や
不朽の名画「天井桟敷の人々」の脚本を書いた人です。
大衆的で、とてもわかりやすい作品が多いと思いきや、
詩集は、シュールで本質をえぐるような
シャープさに溢れててます。
この本は、コラージュの絵と詩をミックスしたもの
なのだけど、
高級なで優雅な言葉遊び
とでもいいましょうか、
ウイットとシニカルとシャレがあいまって、
独特の迷宮を作っているようです。
この「叢書 創造の小径」シリーズはどの本もオススメなので、
特に文学や美術が好きな方は、
どこかで見つけたらゲットしてください♪
ちなみに下記のような作品があります。
みんな昔の人だけど、作家もノーベル賞ものが続々。
でもって、訳者もすごいっ。
ピカソの言葉を訳した岡本太郎の言葉も見てみたいっ!
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「イカロスの墜落」パブロ・ピカソ/ 岡本太郎(訳)
「悪魔払い」ル・クレジオ/高山鉄男(訳)
「表徴の王国」ロラン・バルト/宗左近(訳)
「絵画の中の言葉」ミッシェル・ピュートル/清水徹(訳)
「冒頭の一句または小説の誕生」ルイ・アラゴン/渡辺広士(訳)
「大いなる文法学者の猿」オクタビオ・パス/清水徹(訳)
「仮面の道」レヴィ=ストロース/山口昌男(訳)
「盲たるオリオン」クロード・シモン/平岡篤頼(訳)
「石が書く」 ロジェ・カイヨワ / 岡谷 公二 (訳)
「素晴らしき時の震え」 ガエタン・ピコン / 粟津 則雄 (訳)
「自在の輪」 ピエール・アレシンスキー / 出口 裕弘 (訳)
「発見」イヨネスコ / 大久保 輝臣 (訳)
「ボナわが愛と絵画」 A.ピエール・ド・マンディアルグ / 生田 耕作 (訳)
「マヤの三つの太陽」 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス / 岸本 静江 (訳)
「世界の記憶」 アンドレ・マッソン / 東野 芳明 (訳)
「想像力の散歩」 ジャック・プレベール / 粟津 則雄 (訳)
「素晴らしい時の震え」ガエタン・ピコン/栗津則雄(訳)
「ことばの森の狩人」エルザ・トリオレ/田村○(訳)
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