上司は思いつきでものを言う 橋本治 集英社新書
ベストセラーだそうで。
上司に悩むサラリーマンが買ってるのかも?と思ったのだけど、なにぶん、橋本治さんなので、ビジネス本でもノウハウ本でもありません。
「上司をバカにせず、しかも<上司はバカかもしれない>という可能性を考慮して、企画書を書く技術が大事」というところだけ目先の仕事に有効だけど、真骨頂はビジネスな話から飛躍して、日本国家そのものを<会社>とみなした第3章を過ぎてから。
個人的には天皇制がかくも長く続いた理由が、面白かったのですが、官VS民、日本における儒教の歴史、大政奉還、民主主義と能力主義などなど、痛快かつ斬新な視点で、日本国家の今を切りまくります。最後には「日本的オリジナル」をもっと考えてよいのでは?ってな
メッセージで締めくくられており、この本、後ろから読んでいった方が、楽しめるかもしれません。
ところで、弥絵も思いつきでものを言うので、このタイトルを笑えませんでした(^_^;) 上司に思いつきで言われたときも、「え~、じゃあ、こんなのどうですか?」と思いつきで意見交換できるので困りません。所詮、どっちも思いつきなんす。確たる理由もないわけで、双方で、いいねって思いつきに到達すればいいだけの話。
で、困るときはいつも、思いつきでものを言う上司ではなく、上を見て仕事するだけの人についたときです。こういう場合、判断基準は本人にはなく、その上の人にあるので、「それでは○○さん(←その上の上司の名前)は通りません」といえば、事は収まるし、底が浅くてわかりやすいし、対処法も考えやすいのだけど、だからってねえ、自分の仕事をそれに合わせるわけにはいかんじゃないですか。プライドが許さないし、なにより、全然楽しくない。仕事の目的はずれるわ、質は下がるわ、自分がどんどんバカになっていきます。油が乗った伸び盛りのときに、この調子で時間を棒に振るのはカンベン。
ってなわけで、会社ってのに慣れてから、このような状況に直面した場合は、★話半分で聞いておく(そして、あたかも忠実なような企画書を書く)。★自分のやりたいことしかしない(やりたくないことはできないことにしとく)。★組織をとっとと離脱する。 と、あいなります。
悩んでる人は、こうすればストレスもたまらなくていいんじゃないかな~って常々思うんですが、真面目で忍耐強い人が多くて、そういうわけにもいかないみたい。忍耐の美徳よりも、自己正当化能力。・・・なんのために仕事してるんかってことだと思うんですけど。
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