気がつくと夜中の3時を過ぎている日々・・・なもんで、今日も手早く更新です。最近の日記を久々に俯瞰すると、妙に偏っていることに気がつきました。去年の今頃はきっとアニメとゲームとフィギュアばっかりだったと思うんですが、アニメ熱がちょっと冷めている模様。そんなわけで、映画の話でも。
「ナコイカッツィ」という映画を観ました。カッツィ3部作といわれるこの作品は、言葉を一切使わず、映像と音楽だけで綴られた異色映画です。言語を用いないことで、全世界の人々に伝わる表現をした・・・という。スピルバーグやルーカス、スティーヴン・ソダーバーグなど名だたる監督を始め、ミュージッククリップや現代アートにまで強烈なインパクトを与えた衝撃作だそうな。
「弥絵ちゃんち」のタイトルに使っているブリューゲルの「バベルの塔」から映画は始まります。その後、廃墟と化した息をのむほど美しい聖堂や、巨大建造物の映像が流れ、海の波、天体の動きと荘厳な迫力が続きます(ここまでが最高に感動しました)。そして、現代を生み出した、科学者、文化人、政治家、スポーツや戦争などの記録映像と、デジタルアートがミックスされ、89分! いやあ、すごく集中力を使いました。美しいけれども、文明が発展しても終わらない戦争と暴力、貧困などに対する強烈な示唆に満ちた作品です。
音楽がすごくて、現代音楽の巨匠フィリップ・グラスのシンフォニー(ミニマルミュージックの元祖なのに、ものすごく叙情的な作品です)に、ヨー・ヨー・マのチェロが重なり、それはそれは、素晴らしいのです。
気になったことは、この作品の監督。ゴッドフリー・レジオというベネトンが創立したアートと科学を融合させた学校の創立時に校長を務めた人なんですが、若いころはずっと、貧困層の犯罪に手を染めそうな子どもたちの救済と教育に従事していたそうです。なんでそういう経歴の人がアートな作品を作るにいたったのか?が、目下最大のなぞです。
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