奈良に行ったときに、吉野で林業を営んでる方のお話を聞く機会がありました。吉野といえば桜と杉で有名なところ。なんでも、100年前、林業が盛んだった頃にたくさん植えられた木がいまや立派に成長し、量的にMAXらしいです。残念なことに、林業は衰退しているため、戦後は植える木の数も減っているし、それどころか、木を伐採した方が赤字になるので、この先は手付かずで荒れていくことになりそう。つまり吉野の山は、100年、200年の長い時間の単位で、今こそ最もすばらしい見どころ、というわけです。
一観光客としては、自分が生きている間に最高の吉野を見られるタイミングが当たったことに感謝しましたが、この先、100年後、200年後に美しい吉野がなくなることもあるかと思うと、自分が死んだ後の話だけど、なんだか残念です。
吉野の木は、「間引き」といって、山を守り、1本のすばらしい木を育てるために、周りの木を10年くらいに1回伐採し、また木が大きくなると回りを伐採し・・・ということをしているそうなのですが、伐採した木を1本、1本ヘリコプターで山から運び出すそうで。1本の木のために何十回、何百回とヘリを飛ばすなんて、仕事という視点で考えると、そんな割の合わないこと、やってらんないわ、です。なにせいまは、四半期決算の時代です。3ヵ月単位で売り上げだの利益を出していかないといけない企業が多いなか、100年単位で動く仕事は、途方もなさすぎます。民間企業では途方もない話なら、税金はこういうところに使ってもいいんじゃないか?と思いつつ、物事には栄枯盛衰ということもあるし仕方ないのかな、と思ったり、まあ、自分の無力を再認識してるだけなのですが。
伐採をしなくなった山は茂る葉で日照がさえぎられて、草木が育たなくなり、土砂崩れとかもおきやすくなるとか。そんなわけで、吉野は今こそ見どころ。ここ100年でもっともピーク、そして今後は衰退していくばかりの吉野。吉野の見事な杉や桜をぜひ、ご覧ください。
今日はありがとうございました!
木の間引きのこと知りませんでした。
次帰省する時に山の様子をよく見て来ます。
今見頃というのはうれしいことですが、
土砂崩れの危険が迫って来ているのは
気がかりです…。
投稿情報: 松本典子 | 2008-02-11 22:13