「このマンガがすごい2011」のオトコ編第1位の作品。私、この手の絵がニガテで食わず嫌いしてました。だって、皮膚がはげてる巨人の顔が気持ち悪いんだもん。でも、正月休み中、電子書店がお休みってこともあり、読むマンガがなくなり、ためしに1巻だけ買って読みました。
うははははっ! なに? この1巻の終わりかた! ぶっとびすぎ。びっくりして、続きが気になって、すぐに続刊を購入。そして2巻読了。なんだとー! この終わり方は! と3巻に突入。先が読めちゃう話は退屈だけど、先が読めなさすぎる話ってのもめずらしいなあ。新鮮。
『進撃の巨人』(3巻を読み終えて、ようやくタイトルの意味がわかってきた)は、謎の巨人と人類の戦いを描く話。
巨人が支配する世界。人類は巨人のえさと化し、わずかに生き残った人々は、巨人が入ってこられない高い塀のなかに暮らしている。塀の外に出て世界を知りたいと夢見る少年たち。ところが、あるとき、塀を乗り越えるほどの巨大なやつが現れ、塀の中で家族や街の人たちが食われていき‥‥。
一番大きい巨人は身長60メートルですよ。ウルトラマンより8メートルも大きい。しかも、きもい。そんなのがわらわらやってきて、人を食うってのはなあ。倒すのもたいへん。巨人の弱点は首の後ろのみで、それ以外のところを撃破しても、再生してしまうという特殊能力つき。途中で挫折したゲーム『ワンダと巨像』を思い出して途方もない気分になりましたわ。
読み始めた頃は、このマンガがウケているポイントは、圧倒的な力量と物質量を備える「巨人」がわかりやすく敵でいることかしら? そんななかで、少年たちが、友情と勇気と努力でもって、互いを思いやりながら戦うところがいいのかしら?と思ったりしましたが、途中で「敵がいるから人類がひとつにまとまる、と考えたことはないかね?」みたいな、敵そのものをちゃらにするような、巨人発生のなにかをにおわせる話が出たり、異常に能力の高い子が、塀の外の「東洋」というところから来た一族の子であることがわかったり、第1巻の冒頭で回想的なシーンが謎に織り込まれていたりと、気になる伏線が多いんですね。エヴァ的に伏線と謎が多い。こういうのは解明したくなります。たぶん、1巻を描いているときから、その先10巻分くらいのストーリーを練り込んでいるんだろうなあ。
このマンガで気に入ったところは、主人公が「ぜったいに、生きてやる!」と根性入っているところ。塀の中で平和に暮らすって、茹でガエルみたいなもんだ、と思っているところへ、巨人がやってきて、塀の中はめちゃくちゃ。俺は巨人を全部倒して、外の世界に出るんだー!と必死にがんばるところが、いいなあと。
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