関西に行ってたときに、
京都国立博物館で
「建仁寺展」をやってました。
(6月4日〜7月7日まで東京のサントリー美術館でも展覧されるそうな)
建仁寺ってのは、京都の祇園の南の方にある、
大きなお寺さんです。
他のお寺の建築と、ずいぶん違う雰囲気で、
とにかく大きい。
寺って「街」だったんだ〜
って思っちゃうほどの巨大さです。
京都の街って碁盤の目だけど、
その碁盤の目の中に、
小宇宙のように碁盤の目の寺があるって感じ。
お寺さんって治外法権の独立した存在だった
って時代もあったっていうけど、
たしかに、独立した場所
・・・これってバチカンもおんなじだよね。
さて、この建仁寺は日本に初めて
「禅」と「茶の湯」を伝えたことで有名。
展示されている水墨画・茶器・仏像などなど、
渋すぎるほど渋いものが多いところが、さすが禅寺。
ただの黒い茶碗だって、
ただものではない存在感をぷんぷんさせていて、
本物は違うなあって、ただの黒い茶碗に目が釘付けになるところがすごい。
(天目茶碗と呼ばれる、
南宋時代に福建省の建窯で焼かれたものだったりして。
朝顔をさかさにした、ぽってりした、
なんの気取りもない&力みもないからこそ、
美しい茶碗なのだ)
華美じゃないけど、実に、贅沢。
地味で渋いけどとっても贅沢って、
なかなか見かけないから、目の保養になりました。
ある意味、絢爛豪華・華奢で
観光もしっかりやってる「平等院」とは
対極ともいえるかもしれない趣。
なんといっても観たかったものは、
風神雷神図屏風
初めて本物を見たのは、大学時代だったけど、 「ちっちゃいっ!」と思ったの。
もっともっと大きい作品かと思っていたら、
予想外に小さかった。
ちなみに、予想外に大きい作品って、
ルネッサンス時代のものに多くて、
バチカン美術館にあるミケランジェロの
「天地創造」なんて、
「なんじゃー!このでかさはっ!
絵の全部が一望できないっ!」
と冷や汗が出るほど、びっくりしたもん。
本物を観ないと、迫ってくるものがないから、だめだなーって 本物を観て、わかりました。
雲竜図 海北友松
しゃれにならないほど、
すごい迫力って思ったのが、これ。
タテ186センチ×ヨコ550センチ以上。
巨大なふすまの絵なのだ。
もう1つ別バージョンの龍が描かれたふすまとセットなのよ。
こんな絵がふすまに描かれていたら、
一日中観て暮らして、
ぼーっとしてるだろうなあ。
迫力といい、力強さといい、
リアルな動きを感じさせる身体の描き方といい、
顔も品があるし、いいんです。
弥絵が観た龍の絵の中では、最高峰です。
こりゃ必見。
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