1年遅れながら大河ドラマ「新選組!」にはまり、ここ1ヶ月、週末にDVDを観てまして、ようやく中盤に差しかかりました。あまりの面白さにあと半分しかない・・・と、ちょっと寂しい。今日は、ちょっと趣向を変えて「ちゃんばらグラフティー斬る!」を観ました。
大正~昭和にかけての時代劇800本の中から100本の作品を厳選し、名場面だけを切り出した映画っす。プロデューサは「「もののけ姫」はこうして生まれた。」の浦谷年良。総監修はマキノ雅裕。1本の映画として観るには貫かれたストーリーがないから、長くてちとつらいけど、資料として観るにはめっちゃ面白い! 「斬る」「走る」「切腹」など細かくジャンル分けされていて、走ったらちょんまげは逆風で逆立つのね、とか、そんな小さなことに気がつくのも面白かったです。
まず、立ち回りが超かっちょええ! 間合いとスピード感、身体の動かし方は今ではムリかもしれないってくらい、流麗で洗練されてました。宮本武蔵(中村錦之介)なんて70人対1人の立ち回りシーンがあって、すごかったっ! リアリティとエンターテインメントのバランスが肝心だそうな。
あと、中には「スターウォーズ」の戦いにそっくりシーンもあって、ちゃんばらの影響力を再認識。逆に幌馬車と拳銃が出てくるウエスタンそっくりの時代劇もあり、くすっと笑ってしまいました。
そして、俳優陣がすごいっ! 市川右太衛門、大川橋蔵、片岡千恵蔵、中村錦之介、若山富三郎、高倉健、鶴田浩二、北大路欣也、里見浩太郎・・・。時代劇映画の俳優が歌舞伎出身の人から任侠映画の人へと移り変わる流れも見て取れて、へえ~! 女優さんはさほど目立たなかったのだけど、千原しのぶさんという気品溢れる美しい人を発見して、「きゃあああ★ うっとり」。
風景としては、富士山、桜、そして、木枯らし。ああ、日本!(アスファルトの道を見て育ったので、実際には木枯らしを見たことがないことに気がついた)。「愛」という言葉ではなく「情け(なさけ)」。腑に落ちる! あと、やたらと人が多いのにもびっくり。江戸の町なんて満員電車よ。時代劇映画ってスペクタル映画だったんですねえ。
個人的に驚愕したのは、「笛吹き童子」という昭和30年代の映画の主題歌を知っていて歌えたことに気がついたときでした。映画は観たことないんだけど、どうやら母が家事するときに歌っていたのを子どもの頃に刷り込まれたらしい。時代劇映画って、ほんと、庶民の娯楽だったんだなあ。「時代劇チャンネル」が人気だそうですが、その理由がちょこっとわかったような気がします。
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