やえちゃんち

三島由紀夫の恋愛小説「お嬢さん」と黒澤映画「羅生門」。

京都にあるデカダンで耽美な古本屋・アスタルテ書房さんで、三島由紀夫の新書「お嬢さん」を買いました。三島由紀夫の大衆向け恋愛小説です。

この本、1960年代の日本が舞台。ブルジョワ…いまでいえばセレブなおうち出身の女子大生のお嬢さんが主人公。当時は大学進学率がたしか10%だから、たいそう先進的で自立しようとしている女性であることがわかります。

さて、このお嬢さんは親の言う「女の幸福」なんて、けっとばしてやりたいくらいの気持ちでいます。恋愛におぼれる同級生の気持ちもわからず、とにかく人にはできないような冒険がしたいと思ってます。親が選んだ彼氏候補たちにもまったく興味がありません。

ところが、ある日、親が選んだ彼氏候補のひとりが、駅で芸者との別れ話ですったもんだしているところを目撃します。おとなしそうな顔をして、まあ！と思ったお嬢さんは、お父様が知ったら怒るであろう、彼の秘密を握って、ほくそ笑みます。

そして後日、「ちょっと見たわよ…」と彼に恋話を訊きだしたところ、冴えない男と思ってたのに、カサノバ級の浮気者だとわかってびっくり。なにせ彼に恋心なんてちっとも持ってないものですから、自分にはできない恋の冒険話をもっとしてもらおうと、「友達になってあげてよくてよ」と友達になったのでした。

はい、ここまでが話の中盤です。この後、急展開を繰り返します。やられたー！と思いました。勘のいい方はすでに察しがついておられるでしょうが、このお嬢さん、実は最初から彼氏候補に恋をしていて、自殺未遂など泥沼の事件をいくつも乗り越えて、最後はハッピーエンドになります。

とにかく、あまりに三島由紀夫の心理描写がすごすぎて、お嬢さんの気持ちを素直に追いかけていくと、自分の気持ちに無自覚なお嬢さんと共感してしまい、結婚後、初夜の翌朝になるまで、男に惚れてるってことに気がつかないのです。うまい！うますぎる！

まったく小説らしい小説だと思ったし、映像化したら話のはじめから、お嬢さんの恋心が受け手にわかってしまうため、できないだろうなあと思ったのですが、ふと、黒澤明監督の「羅生門」があったわ！と思い出しました。あれも見事で希有な物語ですねえ。

スクエニメンバーズサイト、しっかりしようよ。

私、ミーハーで、興味ある分野にはマメなため、たとえばゲームの場合、クラブニンテンドー、スクエニメンバーズ、アトラス、コーエー、コナミといった公式サイトの会員になってます。

クラブニンテンドー以外は、会員限定商品が優先予約＆購入できます（送料がかかるため、よっぽど魅力的でないとamazonで買うけど）。そして、ゲームを購入したポイントを会員グッズに代えられるのは、クラブニンテンドーとスクエニメンバーズのみ。

ファンの気持ちを理解して、長いアンケートに答えることがよろこびにさえなるクラブニンテンドーと比べるのが悪いのか、どうも、スクエニメンバーズは中途半端でやる気がないような……会員サイトのおかげで、ブランドイメージがダウンするのでは？と、スクエニ好きとしては心配になるくらいです。

いつか自分の役にたつかもしれないから、反面教師として忘れなメモしとこー。

★メール連絡がないままに突然システムとサービスを変更していた。
それまで貯めていたポイント移行の説明がぱっとわかる場所になく、探し当てるのがたいへんだった。さらに見つけたはいいが手続き方法が複雑。ネット慣れしてない人のポイントを無効にさせる作戦か？せこい、と思った。

★魅力的なポイント交換グッズがない。
ここがクラブニンテンドーとのおおきな違い。クラブニンテンドーはグッズを開発してる人も自分たちのゲームを愛してるんだ、って気がする。一方、スクエニのグッズは、名入れレベルだし、人気のないグッズ…たとえば初代PSP向けがまだ幅をきかせている。初代PSPを売りたいわけではなかろうに。

★かろうじて交換しようと思えるものはいつも品切れで補充なし。

★新グッズの追加は１年に１回くらいしかない。

★年度末でポイント失効のお知らせが今日来た。
サイトに行くと人が殺到したためか、ただいまサーバーメンテナンス中。30日までに交換できるか心配。「在庫残り少ないし、作業費と発送費がかかるし、交換されないほうがお金かからなくていいなあ」と思っているような気までしてくる。

まあ、そんな感じで、会員サイトを作ったときの目的が「他のメーカーもやってるし」「お客を囲い込んで利益アップ」「ブログパーツとか作ってお客のブログで宣伝してもらえば広がるかな」だったのだろうと想像。だったとしたら、企業としてはたいへん通りやすい事業計画のような気がするけど、クリエイティブを誇りにするエンターテインメントの会社が作るサイトじゃない。

結論からいえば、人の気持ちと行動のシミュレーションが足りてないです。同じ間違いをしないようにしなくちゃ。スクエニ、がんばってください。

ウィキペディアのtwitterは意外とおもしろかった

twitterって、友だちつながり・電光掲示板的告知・他のブログや動画、SNSなどのプラットフォームへのいざない・今日の名言的な完結型のもの……などなど、いろんな使われ方してると気がついたけど、期待よりおもしろいって思ったのは、ウィキペディア。ランダムにウィキペディアに載っている項目が表示されるだけだけど、百科事典をぱらぱらめくるたのしさが、ちらりとあります。

中の人を感じさせない自己完結しているデータベース的なものは、ほかにも松下幸之助さんやドラッガーさんなどの「●●の名言」とか、血液型やタロットなどの「占い」もあるけど、これは受け手の期待値が高いのかな。自分にピンとくるような、助けになるようないい言葉を言ってほしいなーって思ってる。ところがウィキペディアはただの百科事典でしょ。「蛇」の後に「三世（仏教用語）」が来て、「電波」だの「ATAC（イタリアの交通会社）」だのが続いていく感じ。想像もしてなかったピンとくるものと出会うのはちょっとたのしい。

で、思いつきました。大好きな本にボルヘスの「砂の本」というのがあります。古今東西の話が納められたもので、ページをめくるといままで開いていたページの内容もかわるっていう、砂のようにはじめもおわりもない本です。永遠に変化し続ける人間が所有してはいけないような、空おそろしい本なのです。これ、twitterの制限文字数が増えれば、できちゃいそうであります。twitterを「砂の本」で検索したら、まだだれもやってないようで。だれかやらないかなあ。

Twitterはじめて１週間。実名でなくてもよかったのか。

Twitterをはじめてみて１週間。なんとなく慣れてきましたが、まだまだです。で、ふと気がついたのだけど、実名でない人も多いのね。それどころか実名の人の方が少ないのね、きっと。

はじめたときは、周りでやっている人がほとんど実名だったし、登録するときに「お名前を入れたほうがほにゃらら」と告知文が出てきて、ま、そんなわけでハンドルではなく、本名で登録しました。そのとき「世の中、かわったなー」と思ったのです。一昔前はネットで本名を公開するって、よほどの有名人か、自信がある人か、酔狂な人でなければやらなかったと思う。当時、私は実名とともにハンドルとメルアドを複数使い分けてました。

ネットの信頼性が上がってきたことと、個人情報保護法の整備と、ネットが普及するスピードが速くて無防備だとあぶないってことに気がついてない人も多いこととか関係してるのかも。

で、使われ方がサブツールなので、いろんな人が使っていて、２ちゃん文化とmixi文化が混在していたり、PC派と携帯派の流儀の違いが見てとれて（この２つは文体＆文章量と発言頻度が違う）、これがけっこう興味深いです。

基本、自分のつぶやきと引用という一方方向がメインで、それにあったインターフェイスだから、文化の衝突みたいなことは起きてないみたいだけど、この過渡期というか成長期はおもしろいと思うなあ。で、いまんとこ、なりすましとか見事にやってのけても、「うそつき！」っていわれちゃうような空気を感じたりもします。いつまでもサブツールのままなのか、Twitterのみで成熟した文化や独特の様式をつくれるのか、行く末はたのしみ。あ、「なう」はとりあえず独特様式か。

非実在青少年

最近、知った「非実在青少年」って言葉。これ「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改定案に出てくる言葉で、マンガ、アニメ、映画、小説、ゲームなどに出てくる登場人物が、18歳未満とわかる表現で、みだりに性的なことをしたり性的対象になるような表現をしたら、青少年の犯罪や自殺を増長するからいかん、というわけ。

この改正案は、インターネットや携帯が普及したことと、児童売春・児童ポルノを禁止する法律と、わいせつ罪（今回指摘されているのは罪じゃなくて、わいせつ未満だと思う）がこんがらがって、へんてこになってますねー。

ところで、この「児童」は18歳未満のことです。私、以前は18歳未満ってけっこう大人で自我も分別もあるのに、なんでー？と思ってました。そうしたら、理由がありました。1976年に国連で採決されたユニセフの「子どもの権利条約」です。

ユニセフの条約はいろんな決まりがありますが、禁止事項の代表的なものは、

「18歳未満は、兵士にして戦地に送らない、性的な搾取、臓器売買、強制労働は禁止」

です。これはすっごくだいじです。命がかかってる切実な話で、援助交際やブルセラ・パンツ販売と同じ次元で考えてはいかんなーと。これ知ってから、世界の18歳未満が児童というルールでもいっかーと思うようになりました。

※豆知識ですが、「子供」は大人のお供で、従属しているようにとられ差別になるからと、「子ども」と表記するそうです。

そして、ユニセフの条約をもとにしてできた「児童売春・児童ポルノ」を禁止する法律。これで取り締まられるようなことをしている人や出来事は、現実です。18歳が大人と本気の大恋愛しちゃったら、それはそれでいいけど、まあ、守るべきかな、と。（もっと言うと、この罪が脱税罪と上限の懲役・罰金が同じくらいって、いかがなものかと思います。人権と金なら、人権の方がだいじだろうに）。

で、非実在青少年は想像です。これじゃあ、買おうとしていた永井豪の「ハレンチ学園」も、持っているマルキ・ド・サドの特装本も、この間読んだ三島由紀夫の小説も、ひいきにしてるメッセサンオーもひっかかってしまうではありませんか。「表現の自由」というとおおげさかもしれないけど、松文館の裁判結果とか見てたら、条例が成立したら規制されて摘発されるものも少なくない気がします。

そもそも、インターネットと携帯がここまで普及したら、子どもを育てている方は大変だと思うけど、法律つくって川下で規制したりフィルタリングして、止めようとしても現実的にムリ。条例改正に関わっている人も、ムリだと知っていると思うんですよね。素人の私が考えても、たくさん抜け道があるし、見る方も自分が歯止めしたり、見る場合はそれが倫理的にOKかNGかを判別して見ないと。本気で子どもの権利と安全を守りたいと思うなら、「ムリ」ってところからスタートして、何をしたら可能になるかを考えないと。非実在青少年じゃないでしょ。

なんというか、今回のことだけじゃないのですが「ないものにする」ってのは、解決にならないのでは？と思うときがあるのです。たとえば売春婦は日本にはいません。違法だから存在しえないのです。だから保証も保護のルールもありません。違法の本やビデオも、摘発されるまでは、存在してないことになっているので、出回り続けます。

ああ、お休みだから長くなっちゃいました。恐縮です。

「ラブプラス」を買ってみた。

年末、「ファイナルファンタジー13」というゲームを始めましたが、映画「アバター」を見た日から手が止まってしまいました。この「FF13」はいままでにないすっごいＣＧで、ゲーム機もプレステ３になったものだから、それはそれはすごいＣＧだったけど、「アバター」の３Ｄを見たらしょぼく思えてきちゃって……。リアル度では「アバター」に負けてるし、そもそもゲームにリアリティは求めてもリアルを求めてないし。物語そのものをもっとがんばってほしかったです。

そんなわけで、しばらくゲーム生活から足を洗ってましたが、「ラブプラスはいままでにない！」とたいへん強く推薦されて買ってみました。ずっとアマゾンで１位をとっていたので、気にはなっていたのよね。今週末スタートしようかな。

「ラブプラス」は高校生男子が主人公の恋愛ゲーム。どうやらリアルタイム進行で、朝、DSのフタを開けるとカノジョが「おはよう」と学校のお迎えに来てくれるらしい。夜は携帯電話でおしゃべり？　学校があるからデートは週末にしかできないらしい。デートの約束を忘れたり、時間に遅れるとほんとおこっちゃうらしい。ほれてもらえれば、彼女の服装や髪型もどんどん自分好みになったりするそうな。……いうなれば、「どうぶつの森」のどうぶつが超積極的版とでもいいましょうか。

はあ、そのゲームシステムはたしかにいままでなかった。システムとしては新鮮で興味深いです。しかし、めんどうくさがりの私が、リアルタイム進行の恋愛ゲームができるのか。そんなことしてるばあいなのかが、疑問ではあります。

Twitterなんとなくわかってきたけど

利用開始から３日目になりまして、まだわからないことはたくさんあるけど、なんとなく、ふむふむな感じです。「ページ」のおもしろさがどこにあるかわからん……と思ってたけど、私が悪いわけではなくて、インターフェイスがあってないのだろうと結論を出して、すっきりしました。

ちょっとややこしいけど、私にとって理想の表示は、タテ軸に時間経過、ヨコ軸の面で人orキーワード（テーマ）、さらにそこに会話の盛り上がり度（単発発言か、１発言にたくさんレスがつくか、対話型になるか）が視認できるような工夫がある…火事場がどこかとか、地下組織がどこかとかすぐわかるような…まあ、いうなれば、立方体のなかに、人orキーワード（テーマ）とそのディープさを示す水たまりがいっぱいあるって感じがいいな。

上記のごとく３次元で表示されたほうが、どこでなにが行われているかとらえやすくていいと思うけど、携帯ユーザーも多いから、２次元でシンプルな表示にならざるをえないというところでしょうか。表示方法が２次元の場合、おもしろいことや興味あることがどこにあるかをさっとわかるためには、タブを使って独自に編集をかけまくるというのが現実的。このときはタブの設定が命になりそう。そんなセンス、自分にあるかなあ…。

いまのところ、ビジネスライクな視点だと広告的な発信とリサーチにはあっていると思うし、個人的には、ともだちを見守るorやりとりするのと、検索であそぶのはたのしそうです。とはいえ、欲をいえば、検索であそぶには情報（ツイート）が少ないかも。ではユーザーがどのくらいいるのかしら？と思って調べたところ、Twitterの利用者は500万人。mixiは1500万人強、２ちゃんねるは1200万人。どれも複数アカウント使っている人いるだろうし、正確ではないけれど、Twitterも1000万人越えたところで検索もたのしくなって、別物になるかもしれないですね。

Twitterのフォローをありがとうございます。

なんだかよくわからないうちにはじめたTwitterですが、昨日「ともだちが少ない〜」となげいたせいか、幾人かの方から、フォロー（つまりはおともだちリンクってことかしら）していただきました。あたたかいお申し出をありがとうございます！
でも、まったく期待しないでくださいね。どうしたらいいか、さっぱりわかってません。ネットの新しいツールで、ここまで遊び方が見当がつかないのははじめてだなあ。

たぶん、ですが、ノージャンルなんでもありってところにとまどっているのかと。いまのところ、そういう「ページ」ってなんなのか？と読み方がさだまらずにこまっているわけです。１ページで読んだときに、いろんな人のつぶやきの羅列だと、ページとしてわかりにくいでしょ？　キーワードor人のひもづけの集合体とでも思えばいいのかなあ？

あるテーマに沿ってたほうが書きやすいし、体系というか頭のなかでその場をMap化しやすくて、動きやすいんですよね。自分的には。でもまあ、ひもづけ＆ザッピングと思えば、別の読み取り方や書き方ができるかもしれないです。練習！練習！

しばらく、私のTwitterは、だだもれ状態かと思いますが、かんにんしてください。なんとなく、裏ブログのようになる予想がしてます……。

ひさしぶり。ついったーもはじめました。

今日、先輩といっしょに歌舞伎に行ったとき、「あなた、ブログどうなってんの？」と訊かれました。ごめんなさい。１ヵ月以上ぶりですね。いそがしさのせいにしてみたいと思います。

で、そのとき「あなたみたいな人が、Twitterをやってないなんて、めずらしいね」とも言われました。一昔前は、ネットの新しいツールや機能には飛びつくほうだったけど、情熱と時間がねえ……。っていうか、そういうのをやるには、ともだちが少ないかもぉー。そうかもぉー。

そんなわけで、今日、何度目かの正直で、ついったーを設置してみたのですが、ぜんぜんよくわかってません。「検索」の有効性は想像以上にすごそうだな、と思ったのと、情報伝達のスピードはブログの比ではないかもしれない、とは思いました。しばらくおためしです。

ところで、私のついったーは、ユーザー名が「yae9000」。由来は「2001年宇宙の旅」の「HAL9000」のもじりであります。プロフィールとやらはhttp://twitter.jp/yae9000　であります。まだ真っ白ですが、よろしかったらどうぞ。