2月2日、熊野の花窟神社のお祭りに行ってきました!初熊野ですよ。熊野といえば中上健次さんの小説のイメージが強かったし、花窟神社はイザナミノミコトが亡くなって葬られた墓所であり、黄泉の入り口。イザナギノミコトが黄泉まで会いに行って逃げ出したというその場所なので、きっと怖いに違いないと、行く前はビクビクしてました。が、しかーし!熊野はすっごく気持ちよかったです!パラダイスって感じ?駅を降りた瞬間に、春。コートがいらないくらい暖かくて、日差しが気持ちよくてぽかぽかしてました。
空から降り注ぐ暖かい光と、おだやかな海。この海の目の前にあるのが花窟神社です。なんと、熊野詣の始点はこの神社だそうで、熊野詣はいつか歩いてみたいと思っていたので、一番最初に熊野を訪れた場所が始点でよかったーとしみじみ。
本に載っている花窟神社の写真を見ると、お社はなくて、この穴のようなところが祭られてました。たいていどの本を見ても、このアングルで撮られてます。イザナミノミコトの女陰と見立てて信仰しているのかしら?と思っていたのですが、上の方を仰ぎ見たら、これがびっくり。この山のように見える岩肌は、山のような巨石でした。山のように大きな石が存在するんですね!巨石信仰だったのだわー。
で、この巨石の上の方は、土偶というか、岡本太郎の彫刻というか、顔に見える形をしてました。はー、なるほど、もしかしたら、この巨石そのものをイザナミノミコトの体と見立てたのではないか?と思ったのでした。
このイザナミノミコトの巨石の向かい・・・ちょうどあの穴の向かいには、大きな岩がありまして、これが、火の神様カグツチということでした。イザナミノミコトはこのカグツチを産んだことで死んじゃったわけですが、母子一緒にいるんですねえ。
花窟神社のお祭りのときは、このイザナミノミコトの巨石の頂上に縄をつけて、その縄を海までひっぱります。黄泉と現世と常世の3界をつなぐ儀式だそうです。
縄には花で飾られた3つの旗型の縄がついてます。
朝廷があった頃は(いつの朝廷を言っているかは確かめませんでした)、朝廷から錦の御旗が3枚、毎回届けられていたそうです。あるとき、嵐で運んでいた船が沈没したため、縄で旗の形をつくるようになったそうです。
写真ではわかりにくくて恐縮なのですが、旗型の縄に花がたくさんつけられていて、風にゆられてそれはそれはきれいな光景でした。
この3枚の旗は、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの3人の神様をあらわしていて、母なるイザナミノミコトのところに、会いに来る、という意味があるそうな。
花があるときは花を献上し、花がないときは歌や踊りを献上したという古来からのお祭り。巨石の前では、小さな巫女さんたちが踊りを奉納したり、神主さんが詔を唱えたり・・・と、小さな場所で、人もそんなに多くはありませんでしたが、美しい儀式が行われていました。巫女さんがつけている髪飾りは、前から見ると花の輪なのですが、後ろ頭に、大きな熨斗(のし)をつけてました。やあ、行ってよかったです!